沖縄本島中部の有機フッ素化合物(PFAS)汚染:米軍基地と「ごみ山」

沖縄本島中部のPFAS汚染:基地と「ごみ山」
基地以外のPFAS汚染源:「ごみ山」と呼ばれる産業廃棄物処分場

IPPの沖縄県への情報開示請求により、沖縄市池原の通称「ごみ山」と呼ばれる元倉敷環境の産業廃棄物処分場からと考えられるPFAS汚染(PFOA)が明らかになりました。
産業廃棄物処分場もPFASの汚染源の1つです。琉球新報沖縄タイムスで報道されました。

「ごみ山」とは何か。
産業廃棄物処理業・倉敷環境(現・倉敷)が、廃棄物処分場施設内で違法に高く廃棄物を積み上げていたため、その様相から「ごみ山」と呼ばれています。

歴史的経緯、汚染原因についてはまた別に記事を出したいと思います。
この処分場は米軍のごみも引き受けており、業者が不法投棄で営業許可を取り消された2017年には嘉手納基地内でごみが処理できなくなる事態にもなっていました。

この記事で伝えたいことは、嘉手納基地が由来とされるPFAS汚染(PFOSが主)と、産業廃棄処分場由来とされるPFAS汚染(PFOAが主)の場所が非常に近く、中部のこの地域に汚染が集中しているということです。 
また、米軍基地も嘉手納基地のみでなく、嘉手納弾薬庫、トリイ通信施設、キャンプ・シールズ、キャンプ・マクトリアスなど基地も密集していることもわかります。
この地域のPFAS汚染状況を、沖縄県の調査結果を重ねあわせ下記のマップにしました。

その後、沖縄タイムスのジョン・ミッチェルさんの調査報道により、元倉敷環境では、普天間基地の泡消火剤が搬入されていたことが明らかになっています。 

ただし、この図を見ると、比謝川(嘉手納基地由来と推測、PFOS>PFOA)と天願川(産業廃棄物処分場由来と推測、PFOA>PFOS)のPFAS汚染が異なっていることがわかります。必ずしも米軍基地の廃棄物のみが汚染源ではないと考えられます。
PFAS汚染のみでなく、ダイオキシン等も高濃度で検出されているので、包括的な調査、分析、対処が必要でしょう。

廃棄物問題について、業者、沖縄県、ひいては私たち県民がごみの問題を深刻に考えてこなかったかを考えさせる事態です。汚染を軍事基地由来と考えたい力学が働きがちであることについても、一度考えるべきであると思います。

しかし、この小さな脆弱な島で、米軍基地を抱え、そのごみも引き受け、水の安全が脅かされていることは事実です。
中部のこの地域が”Forever Chemical”と呼ばれる浄化の難しい有害物質で汚染され、これだけの負担がかかっていること、島が耐えうる負担を超えているという事実を、このマップで共有できればと思います。

琉球朝日放送(QAB)のニュースでも、この件についてインタビューを受けていますのでぜひご覧ください。

QAB 「米軍から消火剤142トン PFOS・PFOAの汚染」 (2019.7.12)

このPFAS汚染視覚化事業は一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストのスポット助成事業により実施しています。

普天間基地周辺のPFAS汚染状況マップ更新

普天間基地周辺のPFAS汚染状況マップを更新しました

IPPは、汚染状況把握・理解のためのビジュアルエイドとして普天間基地周辺のPFAS汚染状況のマップを作成・更新してきました。県の調査が2019年4月に発表されており、遅くなりましたが、IPPのマップを更新しました。

普天間基地由来とされるPFAS(PFOS、PFOAの汚染)問題のこれまでの経緯については以下の記事を参考にしてください。
「普天間基地周りのPFOS/PFOA汚染 : 宜野湾市の当事者性を問う」(2018年10月22日)
「沖縄県による普天間基地周辺のPFAS(有機フッ素化合物)汚染調査に関する意見書」(2019年4月19日)

今回、マップで更新した情報は以下の2点です。

1)沖縄県2018年度冬季調査データ
2019年4月23日、沖縄県環境保全課は「平成30年度(2018年度)有機フッ素化合物環境中実態調査の冬季結果報告について」を発表しました。
今回の調査では、普天間基地周辺以外の新たに比謝川周辺、天願川でも調査を実施していますが、比謝川、天願川についてはまた別記事で触れます。
この結果を受け、データを更新しています。

2)西普天間返還跡地との関係を情報として追加
また、西普天間の返還跡地との関係をマップに情報として重ねました。
普天間基地周囲では最高濃度のPFAS検出がされているチュンナガーは、西普天間の跡地区域に位置しています。また、その付近は跡地計画の中で都市公園の区域にはいっています。これは西普天間返還跡地の水の汚染問題です。
昨年から既に宜野湾市議会でも玉城健一郎議員が質問していますが(2018年6月定例会)市の答弁は「西普天間住宅地区では、都市公園の整備計画において、国指定文化財のチュンナーガーを初めとして複数の湧水群を利用して園路整備等を検討している段階でございますが、これら湧水群からのPFOS、PFOAについての検出については、考慮しながら関係部署と調整をしてまいりたいと考えております。」というものでした。何を「考慮」して、どの部署となんの「調整」を何の目的でするのでしょうか。 
跡地利用特措法にはPFOS、PFOAはもちろん調査項目に入っていません。

以下、マップです。今回は、地下水の流水方向を地図にいれています。

このPFAS汚染視覚化事業は一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストのスポット助成事業により実施しています。

 

PFOS/PFOAだけでないPFAS汚染1)中部河川の汚染データから

「嘉手納基地内および周囲のPFAS(有機フッ素化合物)汚染状況マップ」記事に続き、私たちの住む地域のPFAS汚染を把握するために、ビジュアルエイドを用いながら状況やデータを整理していきます。その中でPFASそのものの理解にもつなげていこうと思います。

これまでの沖縄県内のPFAS(有機フッ素化合物)汚染の把握状況:
 –嘉手納基地・普天間基地・廃棄物処理場周囲–

これまで報道されている沖縄県内のPFAS汚染を整理してみましょう。
現在知られている沖縄県内のPFAS汚染は以下の3例です。
1)嘉手納基地由来と考えられる汚染
沖縄県のPFAS(有機フッ素化合物)汚染問題は、2016年の沖縄県企業局の発表から
嘉手納基地の泡消火剤由来と推測される水源地への汚染から、県民に周知されることとなりました(IPP作成汚染マップ記事参照)。
2)普天間基地由来と考えられる汚染
上記の嘉手納基地由来の汚染の対応を受け、限定的ですが、環境部環境保全課が同年冬期から全県的な調査を実施し、普天間基地周囲のPFAS汚染が明らかになりました。
普天間基地の泡消火剤が原因と考えられています(こちらのIPP記事参照)
3)産業廃棄物処理場(沖縄市池原)由来と考えられる汚染
IPPの環境部環境整備課への情報開示請求等により、沖縄市池原の廃棄物処理場(旧倉敷環境)が原因と考えられる地下水等のPFOS、PFOA汚染が明らかになっています(この汚染については次の記事で紹介します)。

基地汚染だけでないPFAS汚染:県衛生研による全県的な河川調査からみる

では沖縄県内のPFAS汚染はその上記の地域のみなのでしょうか。実は、2017年に発表・公開されている沖縄県衛生環境研究所(以下、県衛生研)の沖縄県本島河川の有機フッ素化合物の調査結果が、そうではないことを示しています。
 調査報告はこちら:塩川敦司・玉城不二美「沖縄島の河川及び海域における有機フッ素化合物の環境汚染調査」『沖縄県衛生環境研究所所報』第51号(2017)  

この調査は2014年に実施され、河川と海域における1回のみの採水の限定的な調査ですが、沖縄河川における、ある程度の汚染実態が把握できたと著者は述べています。
県衛生研の地図とデータを状況がわかるようにIPPで以下のとおりまとめてみました。

これをみると、現在沖縄県が調査している上記3地域だけではない、また、米軍基地汚染だけではないPFAS汚染が発生しているということがわかります。
(各地点については県衛生研の調査報告書を参照してください)

© The Informed-Public Project & Naofumi Nakato

PFOS、PFOAだけでないPFAS汚染

また、この調査では、PFOS、PFOAも含めた10種類のPFAS(PFBA, PFPeA, PFHxA, PFHpA, PFOA, PFNA, PFBS, PFHxS, PFHpS, PFOS)を調査しています。
PFASはPFOS、PFOAだけではありません。PFASは5000以上の種類が存在するといわれています。PFOS、PFOAの危険性が指摘され、規制されるようになってから、その代替物も含めた多くの種類のPFASが市場に流通しています。

 以下の図でもわかるように、私たちが認識し、対処が始まっている有機フッ素化合物はごくわずかなのです。

県内に発生しているのがPFOS、PFOA汚染だけではないこともこのデータからわかります。

 IPPの意見書等にはPFASの種類や性質についての説明を何度か書いていますが、PFASは、Forever Chemical (永遠に残る化学物質)と呼ばれるほど、残留性の高い、浄化処理の難しい化学物質です。しかし、PFOS、PFOAというやっと認識されるようになってきた物質でさえも、米国でも日本でも水道水の規制項目でないために、対処が後手になって混乱を招いているのは皆さんもご存知のとおりです。

そしてPFOS、PFOAの代替物であるPFASの安全性についても保証されていません。むしろPFOSやPFOAとの類似性や、PFOSやPFOAの代替物であるPFHxS、PFBS、PFHxAの危険性が指摘されています。ちなみに代替物の1つであるPFHxS はストックホルム条約会議の下部会議で、管理に関する評価を検討する段階に進めることを決定されています。また、IPPが紹介した米国毒物・疾病登録局(ATSDR)の2018年レポートでは、最小リスクレベル(Minimal Risk Levels, MRLs)が算出された4種類のPFASの1つです。
このようにPFOS、PFOAという2種類の汚染だけでなく、その代替物としても用いられている他のPFASの毒性を踏まえ、PFASを同性質の部類(class)としてとらえることの必要性がPFAS汚染問題に取り組む専門家、NGO等から呼びかけられています。(この件に関してはまた別に書きたいと思います。とりあえずはIPP記事「沖縄県による普天間基地周辺のPFAS(有機フッ素化合物)汚染調査に関する意見書」中の”3. 沖縄県の調査報告の問題”を参照)

水源を含む中部河川のPFAS汚染:PFOS、PFOAだけでない

この観点から、中部河川のPFAS汚染を見てみます。衛生研のデータで中部河川の部分を抜き出したものが以下の図です。

© The Informed-Public Project & Naofumi Nakato

上記データからみると、中部河川のPFASの汚染状況が県内で際立っていることがわかります。また、水源を含む比謝川で、10種類全てのPFASが検出されていることもわかります

比謝川の地点2は、比謝川取水ポンプ場で北谷浄水場の水源です。高濃度のPFAS検出値を示している地点162は大工廻川下流の米軍基地の排水の地点です。明らかにこれらの河川は米軍基地の影響を受けている地点です。
泡消火剤に使用されていたPFOS、そしてその代替物であるPFAS類の検出からも、米軍基地の影響であることが推測されます。

現在、企業局はPFOS、PFOAに加え、昨年度からPFOSの代替物質である、上述したPFHxSの3種類のPFASのモニタリングをしています。PFOS、PFOAに関しては活性炭フィルターを用いた除去対処をしていますが、他のPFASについてはまだ対処は考えられていません(企業局はPFHxS にも活性炭フィルターが有効と主張)。

私達の水源はこのように非常に危うい状態にあるということがわかります。嘉手納基地の影響を受ける場所を水源として用い続けることに対して、市民団体や市民から疑問の声があがっています。行政はその声をきちんと緊急に受け止める必要があります。

PFAS汚染は化学企業や軍が、有害性を知りながら、長期間、その事実を隠蔽し、汚染を拡大、蓄積させてきました。北谷浄水場のこの水源はPFOS、PFOA以外の有機フッ素化合物のみでなく、どんな基地汚染がこの河川に滲出してきたのか、しているのか、将来にもその可能性があるのか、沖縄側はそれに対処しきれるのかわからない水源であることは、私たちは共通の認識として持つ必要があると思います。
水の安全を沖縄側でコントロールできない水源であり、規制物質となるまでは相当なタイムラグがあることもあわせて考える必要もあります。

実際に、PFASが沖縄の住民の血液から検出されたことが、NHKクローズアップ現代+「化学物質“水汚染” リスクとどう向き合うか」(2019年5月15日(水)放送)で報道されました。北谷浄水場から給水されている水道水を飲料に用いる宜野湾市の市民の血中から、PFOS、PFOA、PFHxS が検出され、汚染が水をとおして私たちの身体に残留することが証明され、環境汚染と健康の関係が明らかになっています(この調査に関しては評価をまた別に書く予定です)。

河川に思いをはせて

これまで地点とPFASの検出値という無機的なデータ、そして水源に焦点を絞って書いてきました。しかし、河川は生きているもの。比謝川は、人々の水源であり、魚が住み、水辺には鳥が休み、マングローブが繁る河川です。沖縄の人々はこの川と長く歴史をともにしてきました。この川に元々は自然界にない、人間活動によって排出され、蓄積される化学物質があるという事実を、比謝川の風景をみながらともに最後に考えてみたいと思い、今泉慎也さんの河口のヒルギ林の写真を置いてこの記事のむすびにします。

河口のヒルギ林にて 写真:今泉慎也

写真提供:
今泉真也 Instagram 

このPFAS汚染視覚化事業は一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストのスポット助成事業により実施しています。

嘉手納基地内および周囲のPFAS(有機フッ素化合物)汚染状況マップ

沖縄のPFAS汚染状況を視覚化しています

 県内の有機フッ素化合物(PFOS,PFOA、PFHxS含むPFAS)汚染について、沖縄県が包括的な情報整理をしないので、メディアや市民の実態把握が難しい状態になっています。それは、米軍、米国や日本政府、県民への情報発信が十分でないことにもつながっています。

 それはまずい!ので、The Informed-Public Project(IPP)でこれまでのデータを地図に落とし込み、実態把握や情報発信につながるマップやビジュアルエイドを、これからいくつか提供していこうと思います。
 これまでもIPPが提供、発信した普天間基地のPFAS汚染状況マップはメディア(琉球新報、QAB)でも使用され、宜野湾市議会でも配布されるなど、市民の理解を助けるための道具となってきました。同じように市民の力となるビジュアルエイドを発信していく予定です。

嘉手納基地内および周囲のPFAS(有機フッ素化合物)汚染状況マップ

 今回は、嘉手納基地由来と考えられているPFAS汚染についてのマップを作成しました。北谷浄水場の水源であり、県民の飲み水に影響している汚染です。

 沖縄県企業局、環境部の公開資料、IPPが開示請求で入手した書類から、各有機フッ素化合物の最高値をいれたものが以下のマップです。河川、地下水、湧水、井戸からの汚染の状況がわかります。泡消火剤に含まれる/含まれていたPFASが、土壌・地下水に蓄積され浸出し、河川、井戸、地下水で検出されていることが推測されます。 これは嘉手納基地由来の汚染であることを示すマップにもなるのではないでしょうか。             各基地内の井戸の値は、IPPの情報開示で入手した初公開の値です。

嘉手納基地周辺の地下水の流れ

   こちらは、PFAS検出地点と地下水の流れと嘉手納基地の位置関係を示したマップです。既存の地図や情報を重ね合わせて作成しました。

このPFAS汚染視覚化事業は一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストのスポット助成事業により実施しています。

【提言】2020年度米国国防権限法案の有機フッ素化合物(PFAS)関連条項について

   2020年度の米国国防権限法案(National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2020)について、Informed-Public Project(IPP)から沖縄県に提言書を書きました。

IPPも声明を提出したSubcommittees: Environment & Climate Change (116th Congress)のHEARING ON “PROTECTING AMERICANS AT RISK OF PFAS CONTAMINATION & EXPOSURE”(2019年5月15日)の様子。

    この法案は辺野古の新基地建設の関係でメディアで取り上げられていましたが、米国のPFAS汚染の条項が多く盛り込まれていることは知られておらず、その事実とその背景をお知らせするために沖縄県に提言書を書き、メディアで報道してもらいました(琉球新報 「国防権限法案 基地派生汚染 米で規制へ 調査団体、情報精査を県に提言」有料記事、2019年8月12日、その後、沖縄タイムスも米国特派員からの記事があり、IPPの提言も記事になりました。沖縄タイムス「米権限法案「検証を」/PFAS規制 IPP県に提言」有料記事 2019年8月17日 )。 

 現地でこの問題に取り組み、短期間ではありますが、米国のアクティビストとともに米議会に働きかけてきた立場からこの法案を読み、沖縄の問題につなげる形で提言を書きました。
 これまでの沖縄県の情報収集と政策立案のあり方への批判、そしてどうあるべきかの提言ともなっています。

 以下、8月8日付けで提出した提言です。


 

2019年8月8日

沖縄県知事 玉城 康裕殿
沖縄県環境部長 棚原 憲実殿
沖縄県保健医療部長 砂川 靖殿
沖縄県企画部長 宮城 力殿
沖縄県農林水産部長 長嶺 豊殿
沖縄県知事公室長 池田 竹州殿
沖縄県企業局長 金城 武殿

 

2020年度米国国防権限法案の有機フッ素化合物(PFAS)関連条項について

(提言)

インフォームド・パブリック・プロジェクト(The Informed-Public Project, IPP)は、環境、主に米軍基地に由来する汚染問題について調査・監視・政策提言をする団体です。これまで米軍基地由来と考えられるPFOS、PFOAを含む有機フッ素化合物(PFAS、以下PFAS)汚染の問題に取り組んできました。

IPPは、沖縄県や県民に本件に関する米国の情勢を伝え、県民の安全と健康を守るために、沖縄県が適切な対策をとることを提言するためにこの手紙を書いています。

今回のIPPの提言は、2020年度米国国防権限法案の中で挙げられているPFASの条項を沖縄県が精査し、PFAS汚染対策や、米国・米軍、日本政府との交渉等に反映させることです。

2020年度国防権限法案(National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2020)について

既に辺野古新基地建設問題との関係で報道されているとおり、米国議会は2020年度国防権限法案(National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2020、以下NDAA))(2019年10 月〜2020 年9 月) を上院、下院で可決しました[1]。今後、両法案は両院協議委員会で一本化され、今秋に上院と下院それぞれで採決される予定です。採決された法案は、大統領の承認を経て法制化されます。

米軍基地対策の政策決定をする沖縄県にとって、国防総省及び関係省庁が、議会から何を要求され、この法案によってどのような法的義務が生じるのかを見ることは重要なことと考えます。また、米軍基地政策を策定するためには、米国の政策の原理原則や動向を把握することが重要であり、そのための情報収集にも、NDAAは有用な文書です。

NDAAのPFASに関する条項

IPPは2020 年度NDAAの両院の法案に、PFASに関する条項が多く入れられていることを沖縄県に情報提供します。

これはPFAS汚染の問題、特に軍事活動との関係のPFAS汚染の問題が、連邦政府として法制化する必要がある、緊急性のある重要な問題であることを議会が示したということを意味します。

これまでは、PFASは規制法や対処に関する指針がなく、米国環境保護庁(EPA)の生涯健康勧告値に依拠するだけの状態でした。本法案の成立により、軍事活動に関するPFASの排出、廃棄、浄化などに関する規制や指針が生じることになります[2]

その背景には、米国内でのPFAS汚染の深刻さと、連邦政府のPFAS汚染対策の遅さに対する市民や専門家等の危機感があります。その意識を持った、汚染の被害がある地域コミュニティの市民や関係NGO、科学者等が議会に対して行った、長期間のたゆまぬロビーイング活動と、それに応えた議員や議会の努力が結実した結果が2020年度のNDAAです。

沖縄もその動きに無関係ではなく、市民も米国の議会活動の一環に参加してきたことを述べておきたいと思います。IPPは、米国のアクティビストの仲介を経て、上院の環境と公共事業委員会のヒアリング(2019年3月28日)[3]と下院の環境と気候変動分科委員会(2019年5月15日)のヒアリングの2度声明を提出しています。両声明は、米国のコミュニティや関係者が提出したものと等しく、正式に委員会で記録されています。また、連邦議員との面談時やヒアリング時に、米国アクティビストが沖縄の問題を言及する機会も増えています。


PFASに関する主な条項として以下が挙げられます([   ]内は法案の条項。S=上院、HR=下院)。(まだ条項としての整理などがなされておらず、文言等の一貫性、統一性については今後調整されると思われるためランダムな列挙にとどまることは了承されたい)

【参照 付属資料IPPメモ:NDAAのPFAS関連条項】

  • PFAS含有の泡消火剤の基地での調達・使用禁止のスケジュール等[S. Sec 316./HR.Sec330E]
  • PFASフリー泡消火剤への交換[HR. Sec 318]
  • PFAS汚染の取り組みに関する州との協定[S Sec 318/HR. Sec.330H]
  • 軍事施設近隣の汚染された水の措置[S.Sec 1071-1075/HR.Sec.323]
  • 空軍による不動産取得[S.Sec.1074]
  • PFAS製品(泡消火剤)廃棄[S.Sec6753 / HR.Sec 330D]
  • 訓練での泡消火剤使用禁止[HR.Sec.320]
  • 国防総省の消防士の血液検査[S.Sec 704/HR Sec.708]
  • 安全飲料水法での規制[S.Sec 6721, 6741]
  • PFAS排水規制、基準値の設定、有害化学物質排出目録(TRI)への追加等[S.Sec 6711/HR.Sec 330A]
  • 包括的環境対策・補償・責任法(CERCLA)の有害物質として指定(HR.Sec.330O)
  • PFASに関する調査、モニタリング等[S.Sec.6722, 6731他、HR.Sec. 330G 他]
  • 調理済食品パッケージでのPFAS使用製品禁止[HR. Sec 330B]

憂慮する科学者同盟(Union of Concerned Scientists)のGenna Reed (科学と政策主任アナリスト)は、この法案は、(1)PFAS汚染と曝露の射程/範囲の理解、(2)PFASの製造、使用、廃棄の規制、(3)PFAS汚染の浄化の3方向からPFAS問題に取り組んでいるものと整理しています[4]

NDAAと沖縄のPFAS問題:何をみるべきか

このような法案の動向を受け、沖縄県は、米国における基地汚染関係のPFAS問題の連邦政府レベルでの認識を理解する必要があります。自らの足元でも起きているPFAS汚染問題が、米国でどのように認識されているか、連邦議会が何を要求し、連邦政府は何を求められているのか、あらためて確認する必要があると考えます。

また、NDAAの精査をとおして、汚染また軍事活動におけるPFAS問題がどのように法制化されるのか、沖縄内で起きていることと結びつけながら、沖縄県の具体的な政策を立案していくことが求められます。


近く決定される法案の中で、沖縄県が考えるべき問題として、現段階で以下を指摘しておきます。

調査・モニタリング

沖縄でも十分なPFASの調査はまだされておらず、モニタリングも十分ではありません。憂慮する科学者同盟からの指摘にもあるように、米国でもPFAS汚染と曝露の範囲を確定することは、まだ課題の段階といえます。その課題への取り組みとして、米国地質調査所(USGS)のPFAS検出の実施基準を設置することや、モニタリング、全国調査、調査結果の報告等が挙げられています。沖縄も米国での調査に関する標準/基準を把握しておくことは、沖縄のPFAS汚染対策、また米軍への対応などの政策立案に役立つことと考えます。

泡消火剤の問題

沖縄県は、米軍や日本政府に求めている泡消火剤の管理について繰り返し、問い合わせています。また、産業廃棄物処分場で問題になっている泡消火剤の米軍の廃棄処分についてもその把握が課題とされています。NDAAで米軍の管理、廃棄の規制や設定スケジュール、関連米国内法の改正などを押さえていくことが、今後、沖縄県が米軍に照会する際の、重要な情報になると考えます。法案では調達や使用禁止等の管理スケジュールが最終的に示されるので、それ以前の措置についても、米軍の管理や廃棄計画を今後明確にさせる等の課題も見えてくると思われます。

農業用水の問題

沖縄県は、軍事施設近隣の汚染された水の措置の条項を精査していく必要があります。

既知の情報ではあると思いますが、基地由来による飲料水の汚染については、軍は被害を受けた近隣のコミュニティに対して、ボトルウォーターの配布、フィルター施設の設置をしてきたことも事実として法案で記されていることを確認してほしいと思います[5]

さらに沖縄県が確認すべきことは、両院とも、軍事施設の近隣において、農業使用のためにPFASに汚染されていない水を国防総省に保証させる条項を設けていることです。条項では、国防総省は、PFASで汚染されていない水源の提供、あるいは汚染された水の措置を提供することとなっています。この背景には、農業、畜産へのPFAS汚染の事例が報告され、救済されていないことが背景にあります[6]。米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)での農作物やミルクに含まれるPFASの基準値の設置についても示唆されています。

沖縄県内でも同じ汚染状況と被害が確認されています。普天間基地周辺の農業用水、および土壌が汚染されていることが明らかになっています。しかし、現在この問題は、沖縄県や京都大学による、サンプル数も非常に限定された一種類の生産物(田芋のみ)のPFAS調査によって、その地の農業全体が安全であるような判断をし、矮小化されているのが現在の状況です。

NDAAをみれば、基地由来でPFASに汚染された水で農業を行うことが問題であり、国防総省が、農業のための安全な水のために対処しなければならない公共の問題として議会が法案を策定していることがわかります。沖縄県は、この問題について問題の認識を新たにし再度、公衆衛生(Public Health)等からの枠組み設定をし直して考えることが求められると考えます。NDAAを精査することにより、沖縄で起きている農業用水の問題は、米国ではどのように対処するべき問題と考えられているのか、沖縄はどのように対処するべきなのか、米国に何を要求するか、宜野湾市等の関連市町村とともに具体的に考えることが必要です。

提言:交渉・要請・政策決定のための情報入手を

これまで沖縄県は、米国側の情報を入手せずに米軍等と交渉しているために、米軍側から非常にずさんな回答や情報しか引き出せていません。また、米国側への書簡や情報発信においても、米国での議論や動向等を押さえていないことから、説得力に欠けるものとなっています。

日本政府からの情報に頼ることなく、米国の情報を自ら入手、精査し、連邦政府や議会の動向を鑑み、対応、政策決定をしていくことを強く提言します。

また、米軍基地由来のPFAS汚染の被害は、米国内と沖縄は共通のものであり、責任も同じく国防総省にあります。日米地位協定の枠組みに縛られて思考停止に陥ることなく、むしろこのPFAS汚染の問題で、現在の日米地位協定の弊害を主張する場を立ち上げていくことが必要です。その第一歩として、NDAAを検証し、沖縄での適用を求める動きに結びつけることを強く提唱します。

以上。

脚注

[1]上院については以下のページ参照。116thCongress 1st Session S.1790 https://www.congress.gov/bill/116th-congress/senate-bill/1790/text?fbclid=IwAR0THbck_wvElk5_8ZweGrLv5-AdsnAyLV3jtDd7F4-ANfH0xWQdE6CCMN0 (2019年8月6日取得)。下院については以下を参照。116thCongress1st Session H.R.2500 https://www.congress.gov/bill/116th-congress/house-bill/2500/text?fbclid=IwAR0C-xQIPtDHPWoTzcvge2voISZTWCxPZgyqUcN1C-pvNvQ83Y2S3cJYLlo  (2019年8月6日取得) 

[2]法案についての分析などは長年、PFAS問題の調査・政策提言グループとして取り組んできたEnvironmental Working Groupの記事を参照。Alex Formuzis,, “House Passes Major PFAS Cleanup Legislation: Defense Spending Bill Includes Multiple EWG-Backed Amendments To Confront PFAS Contamination Crisis”, July 12, 2019,  https://www.ewg.org/release/house-passes-first-major-pfas-cleanup-legislation;Scott Faber, “To Address PFAS Pollution, Congress Should Report, Reduce and Remediate” July 30, 2019, https://www.ewg.org/news-and-analysis/2019/07/address-pfas-pollution-congress-should-report-reduce-and-remediate, ;Melanie Benesh, “It’s Time to Designate PFAS as a ‘Harzadous Substances’”, July 3, 2019,  https://www.ewg.org/news-and-analysis/2019/07/it-s-time-designate-pfas-hazardous-substance, (いずれも2019年8月6日取得)。

[3]環境と公共事業委員会ヒアリングの声明についてはIPPの記事「米連邦議会の委員会に沖縄のPFAS汚染問題の声明を出しました」(2019年5月12日)参照。 http://ipp.okinawa/2019/05/12/okinawas-concern-over-pfas-reaches-the-u-s-senate-j/

[4]Genna Reed, “PFAS Amendments Form a Blueprint for Remedying National Toxic Threat”, Union of Concerned Scientists, July 11, 2019, https://blog.ucsusa.org/genna-reed/pfas-amendments-form-a-blueprint-for-remedying-national-toxic-threat(2019年8月6日取得)

[5]米軍によるPFAS汚染に関してCNBCの報道が参考になる。Jaden Urbi, “A new drinking water crisis hits US military bases across the nation”, CNBC,July, 13, 2019,  https://www.cnbc.com/2019/07/12/new-drinking-water-crisis–stemming-from-us-military-bases-pfas-contamination.html (2019年8月6日取得)

[6]米国内での基地由来のPFAS汚染での農業被害は、ニューメキシコ、マサチューセッツ、コロラド等が報告されている。以下の記事を参照。Nidhi Subbaraman, “Farmers Are Losing Everything After “Forever Chemicals” Turned Up In Their Food”, BuzzFeed News, July 2, 2019, https://www.buzzfeednews.com/article/nidhisubbaraman/pfas-food-farms-milk-produce(2019年8月6日取得)

 

【付属資料 IPPメモ:NDAAのPFAS関連条項】

【付属資料 IPPメモ:NDAAのPFAS関連条項】

 

IPP Okinawa Poster at 2nd PFAS National Conference, Boston

Here is our poster, illustrating US military-related PFAS issues in Okinawa. It was part of the 2nd National PFAS Conference held on June 10-12 at Northeastern University, Boston, U.S.

PFAS Contamination and US bases
Okinawa, Japan

In this video footage, our poster appears as Dr. Linda Birnbaum describes PFAS contamination is found not only in the US and Europe but outside them as well.

Dr. Linda Birnbaum on “Forever Chemicals” from Ethereal Films on Vimeo.

We appreciate the organizers and US activists for providing us with such a timely and excellent opportunity to make our voice heard in the US. 

米連邦議会の委員会に沖縄のPFAS汚染問題の声明を出しました

The Informed-Public Project (IPP))は公式に米国へ声を届けることを始めました。

米国連邦議会の上院「環境と公共事業委員会」の2019年3月28日に行われたヒアリングにIPPからの声明を出しました。
声明はIPPのサイトの以下の英文記事に掲載しています。
Okinawa’s Concern Over PFAS Reaches the U.S. Senate
(「沖縄のPFASへの懸念が米国上院に届く」)
原文は記事の末尾に貼り付けています。
声明は他の米国のコミュニティからの手紙とともに委員会に公式に記録されました。

詳細は委員会のサイト参照:”Examining the federal response to the risks associated with per- and polyfluoroalkyl substances (PFAS) March 28, 2019”

環境と公共事業委員会でのカーパー議員の追及。掲げられているのはEnvionment Working Groupが作成している米国全土のPFASの汚染状況のマップ。

声明提出の経緯:米国アクティビストとの連携
米国でも有機フッ素化合物(PFAS)の市民の懸念は拡がっている一方、米国環境保護庁(EPA)、国防総省は迅速な対応をとろうとはしていません。
その行政の怠慢に対して、市民や議会が動き、各地で様々な委員会でのヒアリングなどが実施されています。 

IPPは、これまでも米国のアクティビストや科学者と情報共有し、連携してきたことから、「環境と公共事業委員会」の3月28日のヒアリングへの意見書提出を市民活動家のクリスティン・メロー氏(Kristen Mello co-founder of Westfield Residents Advocating For Themselves)に提案されました。IPPの意見書は同氏の手を経てエド・マーキー上院議員に届けられ、同委員会に提出されました。 米国のPFAS汚染に懸念する人々が沖縄のPFAS汚染問題を知り、沖縄をともに闘う仲間と認識してきたことから、このようなことが可能になりました。

声明の内容
声明の内容は、米軍基地(嘉手納基地、普天間基地)由来と考えられるPFAS汚染の現状と市民の懸念、日米地位協定の問題や、米軍が情報を出さないことなど解決されない障害となるものを説明し、問題の深刻さをデータも交え具体的に訴えています。

最後には委員会への以下の要請を記しています。
1)米国の国外基地におけるPFAS汚染と米軍基地周りの地域のコミュニティの問題について議論し検証すること
2)米軍に情報を提供させることを促すこと、また沖縄県が基地内で調査を実施できるよう協力することにより沖縄における米軍によるPFAS汚染の説明責任を果たさせること 
3) 日米地位協定が環境と沖縄の人々の人権を侵していることを認識すること。

和訳は、今後情報をアップデイトした次に提出した声明につけるつもりです。

声明と記録されることの意味
短い一つの市民の声明ですが、それなりの意味があると考えます。
1)沖縄のPFAS汚染のまとまった情報を国際的に発信したこと
沖縄県は企業局も環境部も米軍基地が汚染源であることを示すデータを十分に出してきました。
しかし、沖縄県が、米軍基地が由来と考えられるPFAS汚染問題に嘉手納基地、普天間基地、それぞれ所管の縦割り行政で対応し、それをまとめたものがありません。沖縄県としてこの汚染問題に特化した対外的な公式な意思表示もありません。
また、宜野湾市が普天間基地由来のPFAS汚染に関し基地由来と特定できない、という消極的な姿勢であることから、沖縄のPFAS汚染の対外的な発信は非常に弱い状態です。
「米軍を刺激したくないから」という理由で県が「意見交換」「協議の要請」を公にしない状態では、どのような対処を望んでいるのかわからないため、日米政府にプレッシャーをかけられていないのが実情です。
声明というコンパクトにまとめなくてならない形のため、詳細が伝えられない限界はありますが、市民からの懸念を一定の枠組みを持って米国からも読める形で発信できたという意味があります。 
日米地位協定の問題についても、このような具体的な事例でどんなに沖縄の人々の権利が奪われているか、安全が脅かされているのかの被害を訴えることが必要であると考えます。

沖縄県にも声明を送付し、このような発信を促す予定です。

2)文書を積み重ねる意味、記録される意味
米国は文書のコミュニケーションを重要視する国です。また、今後の米国への訴えや、国連などへの国際社会への訴えでも、発信してきた文書の積み重ねが重要な要素となります。これはそのための一歩ともいえます。
今、どんな状態で何を不合理であると考えているのか、何を望んでいるのかという声を積み重ねることが重要で、提出した文書が議会で公的に記録されることはその意味でも重要な意味を持ちます。

巨大な権力に知る権利を用いて説明責任を果たさせるためには、私たちはこのような「表現努力」(公害と闘った故宇井純氏の用いた言葉)を絶え間なくしていくことが必要なのだと思います。

今後も可能な限り、このような機会に問題を発信していくつもりです。

嘉手納町の屋良城跡公園のヒージャーガーにて。1700ng/L (PFOS+PFOA) が沖縄県の調査で検出されている。調査結果は嘉手納基地が汚染源である高い可能性を示している。 Masami Kawamura, Director, the Informed-Public Project

以下、声明文です。


March 24, 2019

The Honorable John Barrasso
Chairman, Senate Committee on Environment and Public Works
307 Dirksen Senate Office Building
Washington, DC 20150

The Honorable Thomas R. Carper
Ranking Member, Senate Committee on Environment and Public Works
513 Hart Senate Office Building
Washington, DC 20510

Dear Chairman Barrasso and Ranking Member Carper,

As the Director of the Informed-Public Project (IPP) in Okinawa, Japan, which has been working on the issues of environmental contamination related to the U.S. military bases in Okinawa, I write to inform you of the concerning situation of PFAS contamination in Okinawa and respectfully request you to take proper action.

PFAS Contamination on Okinawa
Okinawa, only 0.6% of Japan’s total area, has 70 % of the US military bases in Japan concentrated on its small islands. US bases occupy 15% of the entire area of Okinawa Island (the main island of Okinawa). The disproportionate concentration of US bases and their proximity to local communities have adversely affected the communities in various ways, and the issue of PFAS contamination is one of the most serious and urgent matters that call for the full attention of the US Government.

On Okinawa Island, PFOS/PFOA have been detected around two U.S. bases, Kadena Air Base (KAB) and Marine Corps Air Station Futenma (MCAS Futenma). According to surveys conducted by Okinawa Prefecture, it is highly likely that the two US bases have caused PFAS contamination. A local expert’s analysis of the survey data has also indicated that PFAS contamination should have occurred within the bases and PFOS/PFOA then would have seeped into water sources outside the bases.

A series of investigations by Jon Mitchell (correspondent reporter of Okinawa Times) using FOIA has revealed that KAB conducted on-site surveys on PFOS contamination in 2014, 2016 and 2017 (at 2 “hold ponds” and 16 “foam holding tanks”). It has also shown that US Military conducted surveys at MCAS Futenma in 2016 and PFOS (27,000 ng/L) and PFOA (1,800 ng/L) were detected from samples of wastewater from a fire pit training site on the base.
All the survey data available and analyses of them point to KAB and MCAS Futenma as the most likely sources of PFAS contamination on Okinawa.

Our Concern: PFOS/PFOA Affecting Sources of Drinking Water and Seeping into Agricultural Fields
I am very concerned that PFOS/PFOA have been detected in some of the sources of drinking water around KAB. For example, according to the recent report by the Okinawa Prefectural Enterprise Bureau (OPEB), the agency in charge of safeguarding drinking water, PFOS/PFOA (971ng/L) were detected in the Dakujyaku river in February 2019. (See this site http://www.eb.pref.okinawa.jp/opeb/309/619). In response, OPEB has installed a carbon filtration system at the Chatan Water Treatment Plant to remove PFOS/PFOA from water coming from the sources around KAB, and it has been monitoring the levels of PFOS/PFOA at the sources. Despite OPEB’s efforts, however, the issue of PFAS contamination at the water sources around KAB remains unresolved.

It should be emphasized that the Chatan Water Treatment Plant provides drinking water for US bases in Okinawa via local municipalities. In fact, in light of the issue of PFAS contamination becoming public, KAB released an announcement to its community on January 27, 2016. The announcement, however, downplayed the seriousness of the issue. (See this site: https://www.kadena.af.mil/portals/40/documents/AFD-160124-001.pdf).

I am also very concerned that PFOS/PFOA have been detected in natural springs around MCAS Futenma and local community members have long used water from the springs, not as drinking water but for other purposes including growing agricultural products and domestic gardening. According to the most recent report by the Environmental Preservation Division at the Department of Environmental Affairs of the Okinawa Prefectural Government, the department in charge of safeguarding water sources other than those of drinking water, PFOS/PFOA (2,000 ng/L) were detected in the Chunnagaa spring in the summer of 2018. (See this site
https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/hozen/mizu_tsuchi/water/documents/jfy2018s_report.pdf). The water from this particular spring is used for domestic gardening, which certainly poses a danger to the health and safety of the local communities. While the Department of Environmental Affairs conducts surveys twice a year (summer and winter), the issue of PFAS contamination at MCAS Futenma remains unresolved.

Our Concern: US Military Evading Its Responsibility
Despite all the survey data available and analyses of them point to the US bases as the sources of PFAS contamination, the US Military has not taken proper action. Instead, in my view, it has evaded its responsibility.

Between 2016 and 2018, the Okinawa Prefectural Enterprise Bureau held four meetings with KAB and the Okinawa Defense Bureau (Japanese Government) with an aim to discuss the issues of PFOS/PFOA related to KAB. During the meetings, however, KAB did not mention its on-site surveys in 2014, 2016 and 2017 (at 2 “hold ponds” and 16 “foam holding tanks”) and their concerning results. In fact, at no point, the US Military informed the Prefectural Government and the people of Okinawa that the military conducted on-site surveys regarding PFAS contamination.

In 2016, the US Military even declined the Environmental Preservation Division’s request for a meeting to discuss the issues of PFAS contamination related to MCAS Futenma. As IPP’s investigation using the Japanese FOIA has revealed, the Marine Corps Installations Pacific replied to the Environmental Preservation Division that “Since PFOS is not a regulated substance in the US and Japan, therefore there is no point in responding to additional questions or holding a meeting for which there are no established standards nor regulations.” The US Military’s declination was irresponsible, and its reply was contrary to the fact that DOD formally recognized PFOS/PFOA as “Emerging Contaminants” in 2009.

Moreover, the US Military has rejected the requests by the Government of Japan and Okinawa Prefectural Government to conduct surveys regarding PFOS/PFOA on the bases. The Department of Defense’s report Addressing Perfluorooctane Sulfonate (PFOS) and Perfluorooctanoic Acid (PFOA), which was issued in March 2018 as an official response to the House Report 115-200, did not even include these test results from KAB and MCAS Futenma although it addressed test results from other US bases overseas.

Our struggle and Obstacles
The US Military has not been forthcoming with information on PFOS/PFOA on KAB and MCAS Futenma. It has not allowed the Okinawa Prefectural Government or the Japanese Government to carry out surveys on the bases. As a result, no comprehensive study and no sufficient clean-up of PFAS contamination have been carried out on Okinawa. No effective measure has been set up or implemented to safeguard the future of Okinawa. All the while, members of the communities, including members of US bases on Okinawa, are constantly exposed to the danger of PFOS/PFAS.

IPP and community members of Okinawa have been struggling to change this situation. We have spent so much time and energy to try to address the issue of PFAS contamination and protect ourselves and our environment. So far, we have made little progress. The US military remains indifferent to our concerns, and the way the Status of Forces Agreement (SOFA) between the US and Japanese Governments has been interpreted and implemented remain obstacles to our struggle.

We are also concerned that the February 2019 (delayed) action of the US Environment Protection Agency addressing PFAS contamination is not enough. As in most of the states in the United States, the Okinawa Prefectural Government has used the EPA’s Health Advisories as its guidelines and standards to evaluate the safety and quality of water contaminated by PFOS/PFOA. We believe that more stringent safety standards and measures have to be adopted.

Our Requests
It is imperative that proper action has to be taken in Okinawa and Japan and in the US. I thus wrote a letter of request to the Okinawa Prefectural Government, requesting them to review its policies on the issues of PFOS/PFOA contamination. I am now turning to the Senate Committee and respectfully request the Committee as follows:

1) Discuss and review the issue of PFAS contamination on the US military’s bases overseas and affected local communities around the bases;

2) Hold the U.S. Military accountable for the issue of PFAS contamination on Okinawa by encouraging the US Military to be more forthcoming with information and by collaborating with the Okinawa Prefectural Government to conduct surveys on the bases;

3) Recognize that the SOFA violates the environment and human rights of the people of Okinawa.

Thank you for your time and attention to the issue of PFAS contamination on Okinawa.

Respectfully submitted,

Dr. Masami Kawamura
The Informed-Public Project,
Okinawa, Japan
http://ipp.okinawa
director@ipp.okinawa

 

普天間基地周りのPFOS/PFOA汚染 : 宜野湾市の当事者性を問う

インフォームド・パブリック・プロジェクト(The Informed-Public Project, IPP)は、これまで米軍基地由来と考えられる有機フッ素化合物のPFOS/PFOA汚染の問題に取り組んできました。

普天間基地周辺から高濃度のPFOS/PFOA汚染が検出されています。普天間基地を抱える宜野湾市はこの問題の当事者ですが、調査主体でもなく、米軍との交渉主体でもないため、当事者意識を持ってこの問題に取り組んでいるとはいえない状態です。
そのため、元宜野湾市議会議員我如古盛英氏、元宜野湾市議会議員知念吉男氏から市議任期中に同問題の整理と調査を依頼され、IPPで意見書を作成しました。

意見書では、以下の点で宜野湾市は当事者であることを指摘しました。

1)宜野湾市の飲料水は水源が汚染されている北谷浄水場から供給されていること
2)生活・生産圏に普天間基地由来のPFOS/PFOA汚染が滲出していること
3) PFOS/PFOA問題は返還跡地の汚染問題であること

IPPからも10月21日づけで宜野湾市長にこの意見書を送付しました。

宜野湾市役所内の関係部署、および関係機関、市民等と情報共有し、宜野湾市としてこの問題にどう取り組むのか、オープンな議論を開始することを求めます。
以下、意見書です。

 



有機フッ素化合物汚染に関する問題の宜野湾市への意見書(暫定版)
– 当事者としての3つの問題 –

2018年9月26日
The Informed-Public Project 代表 河村雅美

※ この意見書は宜野湾市議会議員我如古盛英氏、宜野湾市議会議員知念吉男氏に依頼され作成した。

1. はじめに

沖縄県では嘉手納基地、普天間基地が汚染源と考えられる有機フッ素化合物(PFAS)の中のPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(パーフルオロオクタン酸)の深刻な汚染が近年、確認されている。米軍の使用する泡消火剤が原因と考えられる汚染である。

嘉手納基地が汚染源と推測されるPFOS/PFOA汚染は、北谷浄水場の水源であるため、沖縄県企業局が対処している。2013年から、水源の河川等のPFOS/PFOAを定期的に計測し、安全な水を供給するために粒状活性炭フィルターを設置するなどの対応をしてきた[1]

上記の状況を受け、沖縄県環境部は2016年度から全県的な調査を実施し、高濃度のPFOS/PFOAが検出された普天間基地周辺の調査を年に2度実施するようになった。その調査において、普天間基地周囲の特定の湧水、地下水から高濃度のPFOS/PFOAが検出されていることが確認されている[2]

PFOS/PFOAが含まれている泡消火剤は使用が中止されているため、調査結果からは、両基地内での土壌汚染、地下水汚染の発生が推測される。そのため、具体的な汚染源の特定や、抜本的な汚染除去が必要であるが、本格的な立ち入り調査は、日米地位協定による米軍の裁量による許可が必要なため、沖縄防衛局も沖縄県も許可されていない。

他にも、沖縄県環境衛生研究所では、沖縄本島全域の河川と3海域で有機フッ素化合物18物質の調査を2014年に実施しており、PFOS、PFOA以外の有機フッ素化合物の汚染 も確認されている[3]

汚染問題の問題解決の目標は、汚染原因を特定して除去・浄化を行い、長期的な監視体制を整え、安全で安心な環境を取り戻していくことである。その道筋を切り開くためには、現状の正確な把握と、問題解決のための枠組みづくりが重要な作業となる。

今回の意見書では、まず宜野湾市を中心としたPFAS汚染の現状把握を試みた。
宜野湾市が、上記の基地を由来とするPFOS/PFOA汚染の3点で当事者であるといえる。

1) 宜野湾市の水道水が北谷浄水場から供給されているものであること。
2) 普天間基地が汚染源と推測される汚染が生活・生産圏で検出されていること。
3) 返還合意がされている普天間基地の返還跡地汚染の問題となること。


しかし、調査を実施している行政が、両事例とも沖縄県であること、沖縄防衛局が沖縄県と米軍との「調整」をしていることから、宜野湾市はこの問題についての当事者としての認識が薄く、受動的な姿勢が見受けられる。

当事者としての認識を行政として深め、この問題に主体的に宜野湾市が取り組むことが必要であると考える。

以下、現在入手できている情報から、事実関係を整理し、上記3点を軸とした宜野湾市へのPFOS/PFOA問題に関する提言を示す。


2. 有機フッ素化合物(PFAS)の状況:米国を中心として

1)  概論 ~「永遠に残る化学物質」(Forever Chemical) としての有機フッ素化合物

現在、沖縄で問題になっているPFOSとPFOAは炭素を中心につながった鎖のような物質にフッ素が結合した化学物質である有機フッ素化合物(PFAS)と総称される中の2種である。3500から5000種類のPFASが産業界で流通しており、現在も製品、環境中に新たなPFASが発見されていることが報告されている。

有機フッ素化合物は、安定な構造を持ち、環境中で分解されにくく、高い蓄積性を有する。そのため、「永遠に残る化学物質」(Forever Chemical)」と呼ばれており、除去、浄化等の対応が困難な物質である。

PFOS/PFOAは、撥水性、撥油性が高く、様々な用途で用いられている。家庭内では台所用品(テフロン製の鍋)、ピザの箱やファストフードの包装紙、ポップコーンの袋、防水処理のされた絨毯、衣類、家具などがある。また、産業界でもクロムメッキのための防塵、電子産業、採取率増加のために石油、石炭業界で使用されたり、油圧作動剤や燃料添加剤のような機能化学品としても用いられている。現在沖縄で問題になっているのは、米軍基地の泡消火剤である。

汚染源としては、米国環境保護庁(U.S. Environmental Protection Agency, 以下 EPA)の資料では、以下が挙げられている[4]

  • PFASあるいはPFAS製品の直接の放出
    • 訓練や緊急対応における泡消火剤の使用
    • 工場からの放出
  • クロムめっきやエッチング施設からの放出
  • 消費者およびPFASを含む工業製品からの廃棄物の埋め立てゴミや浸出
  • 下水施設の廃水、バイオ固形物(バイオソリッド、下水汚泥)の土壌施用

人の曝露経路としては、PFASで汚染されている公共飲料水や私有井戸の水の飲用、汚染された水から釣った魚の摂取、汚染された土や粉塵の偶発的吸引、PFASを含む材質で包装されえた食べ物の摂取、テフロン加工などにより付着しにくい台所用品や汚れにくい絨毯、防水性衣料の使用などが挙げられている。

PFOS/PFOAの汚染や健康被害については1970年代から認識され、報告されてきた[5]。産業界との癒着などから、その被害が長期間隠蔽されてきた事実については調査報道などで次々と暴かれている[6]。決して新しく認識されはじめた有害物質ではないことは多くの専門家、政策提言者から語られていることは、健康被害の面からも留意すべきことである。

PFOS/PFOAによる健康被害としては、妊娠期の胎児、あるいは乳児への影響(低体重、思春期早発、骨格変異)、がん(精巣、腎臓)、肝臓への影響(組織損傷)、免疫への影響、コレステロール増加などの影響が研究によって示されている。実際に米国では健康被害が報告され、健康調査も実施されている[7]

このような有害性が示されている一方、有機フッ素化合物の規制が厳しくないことが、世界的な課題となっている。PFOSは、国際条約である「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPS条約)」において、2009年5月の附属書B(製造、使用、輸出入を制限すべき物質)として掲載が決定された。日本国内ではその履行のために同年、「化学物質審査規制法(化審法)」が改正され、PFOSは第一種特定化学物質(原則として製造・輸入が禁止)に指定された。しかし代替が困難であるとの理由での例外的使用が認められているものがあり、日本の規制の抜け穴については、国外からの批判の声も聞こえている。PFOAは現在、条約にも掲載されておらず、化審法にも掲載されていないが、2018年9月イタリアのローマで開催されたストックホルム条約「残留性有機汚染物質検討委員会」の第14回会合(POPRC-14)で、条約上の廃絶対象物質(附属書A)への追加を締約国会議に勧告することが決定された[8]

現在、沖縄で問題になっている水道水質基準については、2009年に水道水に係る要検討項目が従来の40項目に加え、PFOS、PFOAを含む4項目が指定され、2010年の水質基準逐次改正検討会において検討が加えられたが、指針値の設定には至っていない。

2) 米国の状況~米国環境保護庁の生涯勧告値70ng/Lは危うい

上記のような国内の規制値がない状態で、沖縄におけるPFOS/PFOA汚染の対処において、沖縄県企業局、環境部では、EPAが2016年に設定したPFOSとPFOAの合計値70ng/Lという生涯勧告値(Drinking Water Health Advisories, HA)を目安として用いている[9]

しかし、米国では、EPAの生涯勧告値に法的強制力がないこと、EPAの70ng/Lという値の安全性について問われるようになったことから、実際にPFOS/PFOAの汚染の問題を抱える地域では、州で独自にEPAより厳しい値を設定する動きがある[10]

全米的な飲料水汚染の実態が把握され[11]、米軍基地による汚染問題としても問題化されるなど[12]、環境汚染、健康被害の深刻な問題として認識されるようになっていることがその背景にある[13]。また、PFOS/PFOAの代替物で使用されている有機フッ素化合物の危険性も射程に置く必要があることが警告されている。

そのような状況の中、米国の毒性物質・疾病登録庁(Agency for Toxic Substances and Disease Registry, 米国保健福祉省の一部局、以下ATSDR) は「パーフルオロアルキル基の毒性プロファイル:パブリック・コメントのための草案 (Toxicological Profile for Perfluoroalkyls: Draft for Public Comment)」(以下、ATSDRレポート)を2018年6月20日に発表した[14]

ATSDRレポートは、14種類のパーフルオロアルキル基と健康への影響についてのこれまでの研究を検証した852ページのレポートで、専門家によりまとめられ、同領域の専門家の検証(peer review)を経て公表されたものである。パブリック・コメントを経て、重大な変更が必要な場合は再度の専門家の検証を経て、最終版がリリースされる予定である[15]

同レポートは、これまで安全であると考えられていた値より、大幅に低い値が示されていることから、環境政策を後退させているトランプ政権下のホワイトハウス、EPA、国防総省が社会的反響を恐れ、公開を拒んでいた問題のレポートである[16]。有機フッ素化合物の汚染に取り組んできた団体、議員、メディアから早期の公開が強く求められ、公開に至った。

ATSDRレポートの中では、4種類の有機フッ素化合物の最小リスクレベル(Minimal Risk Levels, 以下、MRLs)が算出されており[17]、PFOS/PFOAのEPAの生涯勧告値の7-10倍以上低い数字が算出されていると報道されている[18]。それは、免疫への影響を考慮にいれたことによるものであることがATSDRのリリース資料でも述べられている。そのリリースでは、ATSDRのMRLsとEPAの生涯勧告値は目的や用いる状況が異なること、MRLsが規制値を規定するもではないことも述べられている[19]。しかし、専門家がATSDRのレポートの数値を、EPAの生涯勧告値飲料水のレベルに換算するとPFOAは11ppt, PFOSは7pptという数値が算出されており、これまでのEPAの生涯勧告値を用い続けることに専門家から警鐘が鳴らされている[20]

この状況を受けて、The Informed-Public Project(インフォームド・パブリック・プロジェクト、IPP)は、「有機フッ素化合物の米国毒物・疾病登録局(ATSDR)のレポートに関する要請・提言」を2018年7月8日に沖縄県に提出し、関係諸機関にも写しを送付した[21]。上記のような米国の状況を鑑みると、沖縄県は、現在のEPAの生涯勧告値の値に依拠し続けることを検討するべき時機にあると考えたからである。同提言書では、沖縄県は、連邦レベルや日本政府の対応を待つよりも、米国で実際に汚染問題が発生している自治体が採用する、現実的な政策や、各コミュニティの活動や政策提言[22]を参照として対策をたてていくことが妥当であり、最新の研究結果を採用していくことが必要であることを提言している。

その後、連邦議会では米国下院エネルギーおよび商業対策委員会(U.S.House of Representatives Committee on Energy and Commerce)の環境小委員会で2018年9月6日「環境中の有機フッ素化合物:現在生じている汚染と課題への対応のアップデート(”Perfluorinated Chemicals in the Environment: An Update on the Response to Contamination and Challenges Presented”)」のヒアリングが実施されるなど、連邦レベルの本格的な対応を求める動きがみられる[23]。汚染の影響があった州の独自の動きも注目されるところである一方、州レベルで科学者、特に毒物学者(Toxicologist)が不足していることから規制の動きが進まない問題も指摘されている[24]

3)基地汚染問題としてのPFOS/PFOA問題

米軍の有機フッ素化合物の問題に関しての対応について、ここでは簡単に述べておく。

米軍においては、海軍が1960年代後半からPFOS/PFOAを含む泡消火剤を開発し、1970年代初めから使用してきた。早くから環境に関しての懸念は示されていたが、産業界との癒着から使用が継続され、安全な製品への代替に至らない時期が長く続いた。安全性の懸念が浮上してきたのは1996年であったが、国防総省がPFOS/PFOAを新たな汚染物質(Emerging Contaminants)と指定し対応する指示書(Instruction)を出したのは、2009年になってからのことである[25]。その後の軍の対応については稿を新たに整理するが、2016年のEPAの生涯勧告値の改正(70ng/L)に伴い、国防総省は軍提供の飲料水調査を実施している。浄化、除去については「包括的環境対処補償責任法」(Comprehensive Environmental Response, Compensation and Liability Act、以下 CERCLA)に依拠し、PFOS/PFOAの流出がある可能性のある場所の予備的調査と場所の特定調査を実施している。2017年7月には、米国議会が、国防長官にPFOS/PFOAに関する軍事委員会へのブリーフィングを2017年9月30日までに行うよう指示し、2018年3月にその結果が公表されている[26]

また、上述の2018年9月の下院エネルギーおよび商業対策委員会のヒアリングでも国防総省は証言者としてこれまでの対応を述べている[27]

 


3. 宜野湾市の当事者としての3つの問題

ここからは、宜野湾市が沖縄のPFAS汚染の当事者として考えるべき問題を整理し、述べる。

現在、把握されているPFAS問題は、嘉手納基地が汚染源と考えられるものと、普天間基地が汚染源と考えられるものの2つがある。宜野湾市はどちらのケースからも影響を受けている自治体である。

1) 宜野湾市の飲料水は水源が汚染されている北谷浄水場から100%供給

嘉手納基地が汚染源と考えられるPFOS・PFOA汚染は県民の飲料水に影響を及ぼしている。北谷浄水場は北谷町、沖縄市、北中城村、中城村、宜野湾市、浦添市、那覇市に給水しているが、この北谷浄水場の水は、嘉手納基地が汚染源と考えられているPFOS/PFOAが検出される河川等を水源としており、前述のとおり現在、沖縄県企業局が対応している。宜野湾市の水道水は100%、北谷浄水場から給水されている[28]

【図1】

【図1】-宜野湾市の水はどこから-(宜野湾市水道局ホームページ)

沖縄県企業局は、2013年から、北谷浄水場の水源の河川等のPFOS/PFOAを計測し、安全な水を供給するために粒状活性炭フィルターを設置するなどの措置をとってきた。

しかし、2015年には北谷浄水場の浄水でEPAの現在の生涯勧告値を超える82ppt, 120pptを計測したこともある。宜野湾市は市民の安全な水の供給のために、米国の研究状況も踏まえ、沖縄県と連携し、安全基準値についての議論を始めることが必要であると考える。

嘉手納基地由来のPFAS汚染の詳細については稿を別にし、経緯なども整理したものを後日提示する。

2) 生活・生産圏に滲み出る普天間基地由来のPFOS/PFOA汚染

企業局の水源の調査状況と汚染実態の報告を受け、沖縄県環境部環境保全課は2016年度に県企業局による調査が実施されていない河川や空港・飛行場を中心に調査を実施した[29]。2016年12月での中間報告では、普天間基地周囲の湧水3箇所で高濃度のPFOS・PFASの検出(チュンナガー:1300ng/L、ヒヤカーガー:210ng/L、メンダカリヒージャーガー:710ng/L)が確認された。

その後実施した2016年冬季調査で、普天間飛行場周辺の6箇所を追加したところ、そのうち3箇所(青小堀川(畑内の配管より採水):570ng/L、伊佐ウフガー:190ng/L、フルチンガー(青小堀川上流):110ng/L)で高濃度のPFOS/PFOAが検出された。

  2017年度からは普天間飛行場周辺のみに特化した調査の実施となっている【表1】。

 

【表1】 沖縄県環境部有機フッ素化合物環境中実態調査の推移

【表1】 沖縄県環境部有機フッ素化合物環境中実態調査の推移

【表2】

【表2】

【図2】

【図2】

IPPが普天間飛行場との位置を示した地図に県のデータを落とし込むと以下のような図となる。

【図3】

【図3】普天間基地周辺のPFOS/PFOA汚染状況(湧き水・地下水)

1300pptのPFOS/PFOAが検出されたこともあるチュンナガーの湧水は、ポンプアップし、喜友名区において150世帯が簡易水道として家庭菜園等に使用している[31]。また、湧水は大山の農業(田芋栽培)に使用されており、生活圏、生産圏にPFAS汚染が発生しているという現実がデータから見いだせる。

3) 返還跡地汚染対策としてのPFOS/PFOA問題

普天間基地は、既に返還合意がされている基地であり、現在基地内で生じている汚染については、沖縄県も宜野湾市も、返還跡地の問題としても認識するべきである。

米国内でも、軍事基地汚染としてPFOS/PFOAは問題視されており、返還跡地汚染としても問題となっている。米国政府監査院(Government Accountability Office)の報告書でも、浄化にかかる時間とコストの問題、特に飛行場跡地の返還地について問題が指摘されている[32]

それをふまえ、沖縄防衛局は普天間飛行場の汚染の状態を認識しているのか、米国内で問題になっている状態を認識しているかについて、筆者は「駐留軍用地使用採決申請等事件(普天間飛行場)」の公開審理で求釈明をしてきた。2018年3月15日の求釈明では、返還合意がなされている普天間飛行場の汚染をどうするのか、放置するのか、という求釈明に対して、沖縄防衛局は、「“跡地利用特措法に基づき、関連法令に定める方法により、適切に実施」を繰り返すばかりであった。公開審理の場で「PFOSは跡地利用特措法で調査対象項目になっているか」を沖縄防衛局に聞くとその場で回答できず、後日、調査対象項目になっていないことを文書で回答してくるという状態であった。

これは、このままであれば防衛局は基地内で発生しているPFOS/PFOA汚染を放置し、返還されても対処しないことになる、という事実が明らかになったことを意味する。

これまで宜野湾市は、普天間飛行場のPFOS/PFOA汚染問題には言及せず、跡地利用政策のみに焦点を当てている[33]。沖縄県も普天間基地跡地に関して、「地下に流れる水の道」をコンセプトにした公園計画があり[34]、チュンナガーの所在地は都市公園を整備することで決定しているが、返還跡地の汚染対策としての本格的な取り組みはない。

普天間基地の枯れ葉剤埋設、除去に関する証言、米軍のトモダチ作戦の放射能問題、普天間基地内の漏出事故通報の調査報道[35]など、跡地の汚染問題が深刻であることを踏まえ、PFOS/PFOA問題も跡地汚染問題の1つとして認識すべき状況であるといえる。

4) 当事者意識はあるか

PFAS汚染は、蓄積性があり、永遠に残る化学物質と呼ばれるような処理の困難な有害物質であるにも関わらず、このようにPFOS/PFOAが含まれる湧水が放出されている状態に対して、沖縄県も宜野湾市もその深刻さの認識がない状態といえる。

一番高い値でPFOS/PFOAの合計値が検出されているチュンナガーについて、2017年宜野湾市議会12月定例会では簡易水道としての今後の利用について質問がでているが、汚染に関しての認識は議員側も答弁者の教育部長側にも示されていない[36]。その後、2018年の6月議会では、6月3日に宜野湾市ぎのわんセミナーハウスで実地された「名桜大学公開講座 沖縄の米軍基地による生活環境問題」[37]での講演を受け、複数の市議の質問がでたので問題理解の周知がされえていないこともある。2018年8月8日にIPPが行った宜野湾市選出で喜友名区出身の沖縄県議会議員新垣清涼氏への聞き取りでも、高濃度のPFOS/PFOAを含む水を簡易水道として用いることへの議論の必要性の問題は認識されていなかったようだった。

概して沖縄県、宜野湾市は生活・生産圏において蓄積性のある有害物質が発生していることに関して対策をとるべきであるという、当事者意識が低いという感触である。

 


4. 沖縄県の調査報告の問題

この当事者意識の薄さの原因として1つ挙げられるのが、沖縄県が「何が起きているかわからない」調査報告をしているからではないか、と考えられる。

沖縄県環境部の調査結果の報告は、調査目的や調査地点の必然性について明確に記述されておらず、報告の方法に問題がある。それについては、再度、評価することにするが、ここでは、沖縄県の調査評価に関して指摘しておく。沖縄県は、調査の結果に対して、以下のような評価をしている。

「また、平成28年度冬季調査同様、普天間飛行場周辺の主な表流水の測定を行っており、飛行場への流入側ではPFOS等の濃度は低いことが確認された」(下線、引用者)

(平成29年度PFOS・PFOA調査結果について(冬季結果)平成30年4月6日沖縄県環境部環境保全課)

この書き方では、汚染がどこに発生しているのか、その原因は何であるかの分析評価がわからない。

この検出結果は、普天間飛行場と汚染が検出された地点の位置関係と、普天間飛行場の周囲の水の流れを考慮に入れなければ、意味が理解できないからである。

高濃度のPFOS等が検出されているのは、飛行場からの流出側であるチュンナガー、ヒヤカーガー、メンダカリヒージャーガー、森の川、青小堀川、伊佐ウフガー、フルチンガーである【図3参照】。

なぜこの地点に高濃度の汚染が発生しているのか、普天間飛行場の周囲の水の流れから推測できる。宜野湾市基地政策部が作成した【図4】[38]が理解しやすい。

ここでは、「宜野湾市の地形は海側が低く、陸側の国道330号方面が高くなっています。そのため、宜野湾市に降った雨は排水路や地下を通って高い所から低い所(国号330号側から海の方)に向かって流れています。また、普天間飛行場周辺には、水を通しやすい琉球石灰岩大地が広がっており、地下にたくわえられた水は、湧水となって多くの場所から湧き出しています。大山の田いも畑では、この湧水がつかわれており、田いも畑を守るといったことからも湧水は大きな役割を果たしています。」という説明がされている。【図5】は沖縄県の普天間基地跡地計画に関する動画からのスクリーンショットで、同様のことが説明されている。

以上のデータを合わせれば、普天間飛行場周囲の地形や地質から、湧水や地下水から検出されている高濃度のPFOS/PFOAは、普天間基地からの汚染物質が湧水から検出されている可能性が高いということが沖縄県や宜野湾市の資料から理解することができる。

このような説明を、検出結果に加え、なぜPFOS/PFOAの検出値の高低が生じるのかを理解するような材料を提示し、実際に何が起きているのか、その理解を促すことが必要であろう。

【図4】みんなで考えよう普天間飛行場跡地のまちづくり-宜野湾市(平成20年)

【図4】みんなで考えよう普天間飛行場跡地のまちづくり-宜野湾市(平成20年) より

【図5】沖縄県公式チャンネル「普天間未来予想図VR編vol.3」(平成29年3月制作)

【図5】沖縄県公式チャンネル「普天間未来予想図VR編vol.3」(平成29年3月制作)

専門家による見解を加えれば、名桜大学の田代豊教授は、沖縄県の測定結果(2017年度夏季調査)を、宜野湾市自然環境調査の地下水流向図に貼り付け、【図6】を作成し、以下の分析を導きだしている。

  • 普天間飛行場の下流側(北西側)の地下水のうち70ng/Lを超えたことがないのは③のフンシンガーだけで、それも60ng/Lを超えている。これに対し、上流側(南東側)はどの地点も70ng/Lを超えたことがない(⑦ウブガー、⑯クマイーアブ、⑰ヌールガー)。
  • 普天間飛行場周辺から流出してくる地下水(⑫喜友名A⑬喜友名B)だけが、高濃度になっている。
  • 河川水(⑮⑱)などは低濃度なので、土壌および地下水汚染が生じていると見るべきである。
  • 普天間飛行場は、降水の大部分(蒸発分を除く)が地下水になるような地質にあり、主要な排水経路として地下水が重要である。
  • 表層土と河川水の汚染に比べて浄化が難しい土壌と地下水の汚染が発生している。
  • 普天間飛行場内にPFOS/PFOAの汚染源がある可能性が高いと見るのが自然である。

【図6】

【図6】田代豊氏(名桜大学)作成:沖縄県の測定結果(2017年度夏季調査)を、宜野湾市自然環境調査の地下水流向図に貼り付け)

沖縄県は、検出地と値、地形、水の流れの要素を提示し、普天間基地と汚染源の関係についての評価をするべきである。

このような事実を踏まえ、県は「飛行場への流入側ではPFOS等の濃度は低いことが確認された」という記述の仕方ではなく、「飛行場からの流出側の地点で高濃度のPFOS/PFOAが検出されたことが確認された」と評価し、その理由についての分析を説明していく必要がある。汚染が確認されている部分を起点としてその原因を記していくことが記述としては妥当な記述である。高濃度の地点について記さず、比較地点の低さを起点として結果を書くことは、情報の本質が伝わらず、結果の矮小化と解釈される可能性もある。調査結果を提示し、解釈・評価については沖縄県として科学的に適切である評価を市民にわかるように書くことが必要である。

宜野湾市は、普天間基地周辺のPFOS/PFOA汚染で何が実際に起きているか、について認識を深め、県の調査のあり方、評価の仕方、市民への報告の仕方についても能動的に読み、理解し、市民と共有していく姿勢が必要であると考える。

 

さらに結果を踏まえ、PFOS/PFOAの問題について、宜野湾市は、普天間基地内で生じている汚染が市民の生活空間に染み出している事案として対処する必要がある。

沖縄県は「PFOS等については国内では基準等がなく、直接飲料に用いない限りは人の健康に問題はないので、昨年度に引き続き宜野湾市及び自治会を通して地域住民に周知をお願いしているところ」と案内しているが、湧水地点で看板もないことを筆者は確認しており(喜友名泉の道路沿いの地点、メンダカリヒージャーガー、ヒヤカーガー)周知が徹底しているとはいえない。

また、汚染に関する情報収集が不十分である。1300pptのPFOS/PFOAが検出されたこともあるチュンナガーの湧水は、ポンプアップし、喜友名区において150世帯が簡易水道として家庭菜園等に使用されている[39]

汚染の全体像を把握するための調査もまだ方針が定まっていない。大山の湧水と農作物についても、2016年の中間報告で農作物の調査を1度実施しているが、検体数等の具体的なデータは公になっていない。この後のモニタリングに関する方針や土壌調査を含む包括的な調査方針も議論されているか不明である。

県は中間報告で「【PFOS・PFOAの農作物への影響について】ドイツヘッセン州立研究所で、PFOS・PFOAで汚染した土壌から農作物への移行について実験を行った研究があり、その中ではトウモロコシ、ジャガイモ、小麦などの可食部への移行はほとんど無かったとの報告となっているため、農作物への影響は無いと考えられる。”」と安全性を依拠する研究を紹介しているが、出典も記さず、筆者が調査し、環境保全部に論文名を確認しなければならなかった(”Carryover of Perfluorooctanoic Acid (PFOA) and Perfluorooctane Sulfonate (PFOS) from Soil to Plants”Stahl T1, Heyn J, Thiele H, Hüther J, Failing K, Georgii S, Brunn H. Archives of Environmental Contamination and Toxicology 57(2):289-98 · August 2009, であることを確認した)。依拠した論文の選択の妥当性や引用の正確性・妥当性についても議論する必要があると考える。

ちなみに、家庭菜園に関してもバーモント州健康局では、市民への案内で、5種のPFASが20pptを超える水は、庭の散水にも使用しないように呼びかけており、PFASが野菜に吸収される可能性についても述べている[40]。現在、調査研究で解明されていることと、されていないことを整理し、現地の状況と照らし合わせ、何が必要な作業であるかを議論し、政策を策定していくことが必要である。この点については、専門家の意見や米国ミシガン州の例も引き議論の材料を提示していきたい。

 


5. 米軍との交渉状況:防衛局の「仲介」とずさんな回答

普天間基地周辺のPFOS/PFOA汚染問題において、抜本的な解決策のためには日本政府と沖縄県、関係市町村、米軍との交渉が重要である。

環境保全課の調査結果を踏まえ、県環境部環境政策課基地環境特別対策室が沖縄防衛局に米軍との面会等を要求し、沖縄県から沖縄防衛局への要請文書(2017年1月27日)、沖縄防衛局から沖縄県への回答(2017年2月27日)の文書のやりとり[41]をしているが、その交渉の実はとれていなかった。

沖縄防衛局と米軍がどのようなやりとりをしているのか、沖縄防衛局に情報開示請求をすると、米軍がずさんな回答をしており、沖縄防衛局がその回答を丁寧な内容に「翻訳」して、沖縄県に伝えていることがIPPの調べでわかった。

米軍からの沖縄防衛局への回答

米軍は、「PFOSを含む泡消火剤は規制された物質ではないので」をすべての理由にし、履歴を残す必要も、県と会合を持つ必要もないという雑な回答を沖縄防衛局にメールの添付文書で送付していた。この回答は上述の「基地汚染問題としてのPFOS/PFOA問題」で説明したとおり、国防総省の方針を反映しているものではない。

この調査は県内紙2紙で大きく報道され[42]、SNSで英語で拡散したところ、PFASの米国の活動家のグループで大きな反響があった。

米軍が緊張感のない、いい加減な対応をしているのは、日本政府、沖縄県の情報収集能力や交渉力をみくびっていることに大きく起因していると考えられる。

沖縄県の調査結果も英訳して沖縄防衛局を通じて送付していたが、それは普天間基地との関係を曖昧にした上述の「飛行場への流入側ではPFOS等の濃度は低いことが確認された」という評価をそのまま英訳したものであった。そのような文書を送っても、交渉のスタート地点にも立てないのは当然であろう。米軍に通用する文書、交渉についての課題についても後日、嘉手納基地の汚染への対応も含め論じることとしたい。

 


6.  提言

上記の事実を踏まえ、宜野湾市には以下の提言をする。

  1. 宜野湾市の水道水が北谷浄水場から供給されているものであることを踏まえ、PFAS汚染についての情報収集を行い、EPAの生涯勧告値の基準の見直しについて、沖縄県や他の市町村とともに議論を始めること。
  2. 普天間飛行場が汚染源と推測される汚染が生活・生産圏で検出されていることを踏まえ、汚染範囲の確定も含めた包括的な実態調査の実施について、専門家や市民が参加する議論を始めること。
  3. 返還合意がされている普天間飛行場の返還跡地汚染の問題としての枠組みで有機フッ素化合物汚染の問題をとらえ、長期的・包括的な普天間飛行場跡地汚染問題に取り組むこと。

以上。

この件に関する問い合わせ先:
The Informed-Public Project代表
河村 雅美 博士(社会学) director@ipp.okinawa 
ウェブサイト:http://ipp.okinawa/

意見書のPDFはこちら
宜野湾市PFAS問題意見書暫定版PDF

【脚注】

[1]沖縄県企業局HP「企業局における有機フッ素化合物の検出状況について」 https://www.eb.pref.okinawa.jp/opeb/309/619  (2018年9月22日アクセス)。

[2]沖縄県環境保全部HPで公表されている。最新版は「平成29年度有機フッ素化合物環境中実態調査の冬季結果報告について」http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/hozen/mizu_tsuchi/water/pfos-pfoa_h29-winter-result.html (2018年7月5日アクセス)。

[3]沖縄県環境衛生研究所HPで公表されている。塩川敦司・玉城不二美「沖縄島の河川及び海域における有機フッ素化合物の環境汚染調査」『沖縄県衛生環境研究所所報』第51号(2017)http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/hoken/eiken/syoho/documents/51-p33-48.pdf (2018年7月5日アクセス)。

[4] EPA Activities on Per- and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS), EPA Briefing for House Committee on Energy & Commerce(June 6, 2018) https://docs.house.gov/meetings/IF/IF18/20180906/108649/HHRG-115-IF18-20180906-SD012.pdf     (2018年9 月22 日アクセス)。

[5] 井田徹治『有害化学物質の話:農薬からプラスチックまで』(PHPサイエンスワールド新書、2013年)pp187-199.

[6] Heather Mongilio, ”Hidden studies from decades ago could have curbed PFAS problem: Scientist ”Environmental Health News, Jul 31, 2018. https://www.ehn.org/hidden-studies-from-decades-ago-could-have-curbed-pfas-problem-2591289696.html (2018年9 月22 日アクセス)。安間武(化学物質問題市民研究会)による翻訳がある。 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ehn/ehn_180731_Hidden_studies_from_decades_ago_could_have_curbed_PFAS_problem.html(掲載日:2018年9月5日)

[7]血液調査や健康調査については、元ピーズ空軍基地の泡消火剤で飲料水が汚染されたニューハンプシャーの調査が参考になる。Agency for Toxic Substances and Disease Registry, “Feasibility Assessment for Epidemiological Studies at Pease International Tradeport, Portsmouth, New Hampshire, November 2017. https://www.atsdr.cdc.gov/sites/pease/documents/Pease_Feasibility_Assessment_November-2017_508.pdf (2018年7月3日アクセス); State of New Hampshire, Department of Health and Human Services Division of Public Health Services, “Pease PFC Blood Testing Program: April 2015-October 2015”, June 16, 2016,  https://www.dhhs.nh.gov/dphs/documents/pease-pfc-blood-testing.pdf ( 2018年7月3日アクセス)。

[8]Secretariat of the Basel, Rotterdam and Stockholm Conventions, ”Two more toxic chemicals recommended to be eliminated as UN scientific committee paves way for ban on widely-used PFOA September 21, 2018 (2018年9月25日アクセス)。 http://www.brsmeas.org/Implementation/MediaResources/PressReleases/POPRC14PressReleases/tabid/7685/language/en-US/Default.aspx 経済産業省「ストックホルム条約残留性有機汚染物質検討委員会第14回会合(POPRC14)が開催されました」http://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180926002/20180926002.html?from=mj(2018年9月26日) (2018年9 月26 日アクセス)。
The Earth Negotiations Bulletin, “14th Meeting of the Persistent Organic Pollutants Review Committee (POPRC-14) to the Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants (POPs”) http://enb.iisd.org/chemical/pops/poprc14/http://enb.iisd.org/chemical/pops/poprc14/  (2018年9月25日アクセス)。

[9] EPAのPFOS/PFOAを含むペルフルオロアルキル化合物(PFAS)についての政策については”Per- and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS)”を参照。https://www.epa.gov/pfas (2018年7月5日アクセス)。環境省は以下のファクトシートを参照。「国内等の動向について(PFOS)」 https://www.env.go.jp/council/09water/y095-13/mat07_2.pdf 「[18]ペルフルオロオクタン酸及びその塩」(PFOA)。 https://www.env.go.jp/chemi/report/h19-03/pdf/chpt1/1-2-2-18.pdf(2018年7月5日アクセス)。

[10] 例えば、バーモント州はPFOA、PFOSを含む5種類のペルフルオロアルキル化合物(PFAS)の合計値が20pptを超えないことを推奨している。Vermont Department of Health, “Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS) in Drinking Water.” http://www.healthvermont.gov/environment/drinking-water/perfluoroalkyl-and-polyfluoroalkyl-substances-pfas-drinking-water(2018年7月5日アクセス)。ニュージャージー州は最大許容濃度(Maximum Contaminant Level, MCL)としてPFOAを14ppt、PFNAを13ppt に設定する案を策定。State of New Jersey, Department of Environmental Protection, News Release,” Christie Administration Takes Action to Enhance Protection of New Jersey’s Drinking Water”, November 1, 2017, https://www.nj.gov/dep/newsrel/2017/17_0104.htm (2018年7月5日アクセス)。ニューハンプシャーはPFOS、PFOAの地下水の基準を設定している。New Hampshire Department of Environmental Services Release, “NHDES Establishes Ambient Groundwater Quality Standard for Perfluorooctanoic Acid (PFOA) and Perfluorooctane Sulfonate(PFOS)”, May 31, 2016, https://www.des.nh.gov/media/pr/2016/20160531-pfoa-standard.htm (2018年7月5日アクセス)。
米国のNGO、National Resources Defense Council (NRDC)は、複数の汚染地域を抱えるニューヨーク州の健康部委員会への要望書(”Re: Setting a Maximum Contaminant Level for Perfluorooctanoic Acid (PFOA) and Perfluorooctanesulfonic Acid (PFOS)”)を提出し、PFOSとPFOAの合計値を4-10pptに設定することを推奨している。NRDC Releases Report on PFOA, Urging Prompt Regulation, February 27, 2018, https://www.nrdc.org/experts/kimberly-ong/nrdc-releases-report-pfoa-urging-prompt-regulation(2018年7月5日アクセス)。

[11] Xindi C. Hu et al., *Detection of Poly- and Perfluoroalkyl Substances (PFASs) in U.S. Drinking Water Linked to Industrial Sites, Military Fire Training Areas, and Wastewater Treatment Plants”  Environ. Sci. Technol. Lett., 3, 10, 344-350, (2016), https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.estlett.6b00260  (2018年7月5日アクセス) 。有機フッ素化合物の問題に取り組む環境団体Environment Working Groupによる米国の飲料水汚染の状態を示したインタラクティブマップ等の記事も参照されたい。”Mapping a Contamination Crisis: PFCs Pollute Tap Water for 15 Million People, Dozens of Industrial Sites”, June 8, 2017, https://www.ewg.org/research/mapping-contamination-crisis#.WzGcMqf7SUk  (2018年7月5日アクセス) 。

[12] 米軍基地由来のPFOS/PFOA汚染に関しては別途情報をまとめる予定である。ここでは参考としてTara Copp, ”DoD: At least 126 bases report water contaminants linked to cancer, birth defects”, Military Times, April 26, 2018, https://www.militarytimes.com/news/your-military/2018/04/26/dod-126-bases-report-water-contaminants-harmful-to-infant-development-tied-to-cancers/  (2018年7月5日アクセス)。

[13] 例えばPFOA汚染被害を起こしたデュポンへの70000人の集団訴訟に勝訴したRob Billot 弁護士の記事を参照。Nathaniel Rich, ”The Lawyer Who Became DuPont’s Worst Nightmare”, The New York Times, January 6, 2016, https://www.nytimes.com/2016/01/10/magazine/the-lawyer-who-became-duponts-worst-nightmare.html  (2018年7月5日アクセス)。

[14] Agency for Toxic Substances and Disease Registry ”Toxicological Profile for Perfluoroalkyls
Draft for Public Comment”. https://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp.asp?id=1117&tid=237 (2018年7月5日アクセス)。

[15]ATSDR ”PFAs Toxicological Profile Key messages June, 2018”  https://www.atsdr.cdc.gov/docs/PFAS_Public_KeyMessages_June20_Final-508.pdf (2018年7月6日アクセス)。

[16] この事実はPoliticoの調査報道により明らかになった。Annie Snider, “White House, EPA headed off chemical pollution study”, Politico, May 14, 2018, (https://www.politico.com/story/2018/05/14/emails-white-house-interfered-with-science-study-536950). (2018年7月5日アクセス)。

[17] PFOS・PFOAの他に、PFHxS、PFNAのMRLsが挙げられている。

[18] Ellen Knickmeyer, “Report finds industrial chemicals more toxic than thought”, AP News, Jun. 20, 2018, https://apnews.com/54e8af9f5bb04c3084eff98f674cf6f5 (2018年7月5日アクセス), Stephanie Ebbs and DR. Karine Tawagi, “Threshold for harmful chemicals in drinking water lower than thought: Study”, ABC News, June 21, 2018, https://abcnews.go.com/Politics/threshold-harmful-chemicals-drinking-water-lower-thought-study/story?id=56029597 (2018年7月5日アクセス)。

[19] ATSDR”PFAs Toxicological Profile Key messages June 2018”, https://www.atsdr.cdc.gov/docs/PFAS_Public_KeyMessages_June20_Final-508.pdf (2018年7月6日アクセス)

[20] Silent Spring Instituteの研究者Laurel Schaiderにより算出。Dr.Schaiderは注8のXindi C.Hu論文の共著者である。Cheryl Hogue, “U.S. report proposes lower safe level for perfluorochemical exposure: ATSDR daily dose numbers for PFOS and PFOA are one-tenth those of EPA”, Chemical & Engineering News, June 22, 2018 | Vol.96, Issue 26, https://cen.acs.org/environment/persistent-pollutants/US-report-proposes-lower-safe/96/i26, (2018年7月6日アクセス); Garret Ellison, “Blocked report drops PFAS safety level into single digits”, Mlive, June 21, https://www.mlive.com/news/index.ssf/2018/06/atsdr_pfas_toxprofiles_study.html (2018年7月5日アクセス); Evan Bevins, “Brooks: PFAS advisory levels must drop: Doctor from C8 study pleased with release of federal report”, News and Sentinel, June 22, 2018. http://www.newsandsentinel.com/news/local-news/2018/06/brooks-pfas-advisory-levels-must-drop/(2018年7月5日アクセス)。

[21]「有機フッ素化合物の米国毒物・疾病登録局(ATSDR)のレポートに関する要請・提言」 http://ipp.okinawa/2018/07/15/requests-and-recommendations-on-reports-of-atsdr/

[22] PFAS問題に取り組むグループのネットワークNational PFAS Contamination Coalitionのウェブサイト参照。 https://pfasproject.net//(2018年7月5日アクセス)。

[23] The Committee on Energy and Commerce, HEARING ”Perfluorinated Chemicals in the Environment: An Update on the Response to Contamination and Challenges Presented”,  https://energycommerce.house.gov/hearings/perfluorinated-chemicals-in-the-environment-an-update-on-the-response-to-contamination-and-challenges-presented/ (2018年9月19日アクセス)。

[24]Kyle Bagenstose, “State effort to develop PFOA standard stalled”, The Intelligencer, Aug 25, 2018 http://www.theintell.com/news/20180825/state-effort-to-develop-pfoa-standard-stalled, (2018年9月19日アクセス)。

[25]Department of Defense Instruction, Number 4715.18(June 11, 2009) http://www.esd.whs.mil/Portals/54/Documents/DD/issuances/dodi/471518p.pdf (2018年9月22日アクセス)。

[26] Maureen Sullivan, Deputy Assistant Secretary of Defense(Environment, Safety & Occupational Health) “Addressing Perfluorooctane Sulfonate (PFOS)and Perfluorooctanoic Acid (PFOA)” EPA PFAS Summit, May 2018. https://www.epa.gov/sites/production/files/201805/documents/dod_presentation_epa_summit_pfos_pfoa_may2018_final.pptxx_.pdf   (2018年9月22日アクセス)。

[27]Maureen Sullivan, Deputy Assistant Secretary of Defense(Environment, Safety & Occupational Health) “のWitness Statement. https://docs.house.gov/meetings/IF/IF18/20180906/108649/HHRG-115-IF18-WstateSullivanM-0180906.pdf (2018年9月22日アクセス)。

[28]宜野湾市水道局「宜野湾市の水はどこから-」http://www.city.ginowan.okinawa.jp/pageRedirect.php?url=/2556/2561/2728/28222/28224/29088.html (2018年9月22日アクセス)。

[29]沖縄県環境部環境保全課「沖縄県内における有機フッ素化合物環境中実態調査結果について(中間報告)」(平成28年12月28日) http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/hozen/mizu_tsuchi/water/documents/tyuukannhoukoku.pdf

[30] 沖縄県環境保全課「平成29年度有機フッ素化合物環境中実態調査の冬季結果報告について」http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/hozen/mizu_tsuchi/water/pfos-pfoa_h29-winter-result.html (2018年9月22日アクセス)。

[31] 沖縄県議会議員新垣清涼氏への聞き取りによる。

[32] United States Government Accountability Office, “Military Base Realignments and Closures: DOD Has Improved Environmental Cleanup Reporting but Should Obtain and Share More Information”, GAO-17-151, published: Jan 19, 2017. publicly Released: Jan 19, 2017.https://www.gao.gov/products/GAO-17-151. (2018年9月23日アクセス)。

[33] 宜野湾市「普天間飛行場跡地未来予想図」http://www.pref.okinawa.jp/futenma-mirai/index.html (2018年9月22日アクセス)。

[34] 沖縄県公式チャンネル「普天間未来予想図VR編vol.3」(平成29年3月制作)  https://www.youtube.com/watch?v=yiilzLbAO3A&t=195s (2018年7月5日アクセス)。

[35] ジョン・ミッチェル(阿部 小涼 翻訳)『追跡・沖縄の枯れ葉剤』(高文研、 2014年)、ジョン・ミッチェル(阿部 小涼 翻訳)『追跡 日米地位協定と基地公害:「太平洋のゴミ捨て場」と呼ばれて』(岩波書店、2018年)等を参照。

[36] 「喜友名にあるチュンナーガーの簡易水道としての今後の利用について」知念秀明議員)(『ぎのわん市議会だより』第106号、p8、平成30年3月8日)。

[37] The Informed-Public Project「6月3日 公開講座 市民が主体となる沖縄の環境調査『沖縄の米軍基地による生活環境問題』」http://ipp.okinawa/2018/05/13/open-lecture20180603/

[38] 宜野湾市『「みんなで考えよう」普天間飛行場跡地のまちづくり~普天間飛行場跡地利用に関わる学習テキスト』(平成20年3月), p16 http://www.city.ginowan.okinawa.jp/DAT/LIB/WEB/1/tekisuto3.pdf (2018年9月22日アクセス) 。

[39] 沖縄県議会議員新垣清涼氏への聞き取りによる。

[40] 注10に同じ。

[41]日本政府とのやりとりの文書は環境政策課のHPで公表されている。「宜野湾市湧水において検出された有機フッ素化合物の対策等についての沖縄防衛局からの回答」http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/seisaku/kichikankyo/ginowan.html (2018年7月5日アクセス)。

[42] 「防衛局、PFOS検出で 米軍回答弱め県に伝達」(2018年8月25日、琉球新報)、「県面会要請、米軍が拒否、17年1月普天間周辺汚染物質で」(2018年8月26日、沖縄タイムス)。

 

有機フッ素化合物の米国毒物・疾病登録局(ATSDR)のレポートに関する要請・提言

The Informed-Public Projectは沖縄県内で、嘉手納飛行場、普天間飛行場での米軍基地由来と考えられる有機フッ素化合物についての監視・調査活動・政策提言を行ってきました。

沖縄県は米国環境保護庁(EPA)の生涯勧告値70ng/Lを、飲料水の安全のチェックの目安や、検出地での濃度の判断に用いています。 

米国では毒性物質・疾病登録庁(Agency for Toxic Substances and Disease Registry, ATSDR)の「パーフルオロアルキル基の毒性プロファイル:パブリック・コメントのための草案 (Toxicological Profile for Perfluoroalkyls: Draft for Public Comment)」(以下、ATSDRレポート)が2018年6月20日に発表されました。このレポートの発表でEPAの生涯勧告値に頼ることの疑念が科学者、市民グループから示されています。

IPPは、ATSDRレポートと、それをめぐる米国の動きを鑑み、沖縄県が早急に現在の政策を見直し、適切な措置を講ずることを促すための警告的な提言をする手紙を書きました。

この要請書は琉球新報(2018.7.11)、沖縄タイムス(2018.7.12)に報道されました。写しは関係市町村、県議会関係委員会、自治会等に送付しています。

以下、要請・提言書です。

 

2018年7月8日

沖縄県知事 翁長 雄志殿
沖縄県企業局長 金城 武殿
沖縄県環境部長 大浜 浩志殿
沖縄県保健医療部長 砂川 靖殿
沖縄県企画部長 川満 誠一殿
沖縄県知事公室長 池田 竹州殿

The Informed-Public Project
代表 河村 雅美

有機フッ素化合物の米国毒物・疾病登録局(ATSDR)のレポートに関する要請・提言

 インフォームド・パブリック・プロジェクト(The Informed-Public Project, IPP)は、環境、主に米軍基地に由来する汚染問題について調査・監視・政策提言をする団体です。これまで米軍基地由来と考えられる有機フッ素化合物のPFOS/PFOA汚染の問題に取り組んできました。

 IPPは沖縄県や県民に本件に関する米国の情勢を伝え、県民の安全と健康を守るために、沖縄県が適切な対策をとることを提言するためにこの手紙を書いています。

 米国の毒性物質・疾病登録庁(Agency for Toxic Substances and Disease Registry, 米国保健福祉省の一部局、以下ATSDR)は「パーフルオロアルキル基の毒性プロファイル:パブリック・コメントのための草案 (Toxicological Profile for Perfluoroalkyls: Draft for Public Comment)」(以下、ATSDRレポート)を2018年6月20日に発表しました[1]。この手紙は、ATSDRレポートと、それをめぐる米国の動きを鑑み、沖縄県が早急に現在の政策を見直し、適切な措置を講ずることを促すための警告的な提言です。

 有機フッ素化合物は、発がん性があることが確認されています。その他にも、疫学的な調査では肝臓(血清脂質レベルの増加)、心血管(妊娠誘発高血圧症、子癇)、内分泌(甲状腺疾患)、免疫(ワクチンへの抗体反応低下、喘息)、生殖(生殖力の低下)、発生(低体重等)への影響の可能性が指摘されています[2]

 沖縄県では嘉手納基地、普天間基地が汚染源と考えられるPFOS/PFOAの深刻な汚染が近年、確認されています。

 沖縄県企業局は、嘉手納基地が汚染源と推測されるPFOS/PFOA汚染に対処してきました。2013年から、北谷浄水場の水源の河川等のPFOS/PFOAを計測し、安全な水を供給するために粒状活性炭フィルターを設置するなどの対応をしてきました[3]
沖縄県環境部は上記の状況を受け、2016年度から全県的な調査を実施し、高濃度のPFOS/PFOAが検出された普天間基地周囲の調査を継続しています[4]
 いずれも米軍が1970年代から使用していた泡消火剤に含まれていたPFOS/PFOAによる土壌汚染・地下水汚染の影響であると推測されます。
 また、沖縄県環境衛生研究所では、沖縄本島全域の河川と3海域で有機フッ素化合物18物質の調査を2014年に実施しており、他の有機フッ素化合物の汚染も確認されています[5]

 沖縄県では、政策を実施するに当たり、PFOS/PFOAの国内の規制値がないために、米国環境保護庁(EPA)が2016年に設定した70ng/Lという生涯勧告値を基準にしています[6]
 これまで企業局では、北谷浄水場の浄水のPFOSとPFOAの合計値70ng/L以下を安全の目安としてきました。また、環境部も調査結果の発表時には、上記の数値を目安として用いてきました。

 しかし、米国では、EPAの生涯勧告値は法的強制力がないこと、EPAの70ng/Lという値の安全性について問われるようになったことから、実際にPFOS/PFOAの汚染の問題を抱える地域では、州で独自にEPAより厳しい値を設定するなどの対応がとられてきました[7]
 全米的な飲料水汚染の実態が把握され[8]、米軍基地による汚染問題としても問題化されるなど[9]、環境汚染、健康被害の深刻な問題として認識されるようになっていることがその背景にあります[10]

 そのような状況の中、上述のとおり、2018年6月20日、米国のATSDRレポートが発表されました。
 ATSDRレポートは、14種類のパーフルオロアルキル基と健康への影響についてのこれまでの研究を検証した852ページのレポートで、専門家によりまとめられ、同領域の専門家の検証(peer review)を経て公表されています。パブリック・コメントを7月23日まで受け付け、重大な変更が必要な場合は再度の専門家の検証を経て、最終版がリリースされます[11]
 同レポートは、これまで安全であると考えられていた値より、大幅に低い値が示されていることから、環境政策を後退させているトランプ政権下のホワイトハウス、EPA、国防総省が社会的反響を恐れ、公開を拒んでいた問題のレポートでした[12]。有機フッ素化合物の汚染に取り組んできた団体、議員、メディアから早期の公開が強く求められ、公開に至ったという背景があります。

 ATSDRレポートの中では、4種類の有機フッ素化合物の最小リスクレベル(Minimal Risk Levels, MRLs)が算出され[13]、PFOS/PFOAのEPAの生涯勧告値の7-10倍以上低い数字が算出されていると報道されています[14]。それは、従来、発生への影響単独で算出されたものではなく、免疫への影響を考慮にいれたことによるものであることがATSDRのリリースに述べられています。そのリリースでは、ATSDRのMRLsとEPAの生涯勧告値は目的や用いる状況が異なること、MRLsが規制値を規定するもではないことも述べられています[15]。しかし、専門家がATSDRのレポートの数値を、EPAの生涯勧告値飲料水のレベルに換算するとPFOAは11ppt, PFOSは7pptという数値が算出されており、このATSDRレポートの発表を機に、これまでのEPAの生涯勧告値を用い続けることには専門家から警鐘が鳴らされています[16]
 このような状況を鑑みると、沖縄県が、現在のEPAの生涯勧告値の値に依拠し続けることは検討するべき時にあるといえます。2015年には北谷浄水場の浄水がEPAの生涯勧告値を超える82ppt, 120pptを計測したこともあります。沖縄県は、連邦レベルや日本政府の対応を待つよりも、米国で実際に汚染問題が発生している自治体が採用する、現実的な政策や、各コミュニティの活動や政策提言[17]を参照として対策をたてていくことが妥当であり、最新の研究結果を採用していくことが必要であると考えます。

 概して汚染の問題は、初動で影響を過小評価、矮小化することから被害が広がることが歴史的な教訓としてあります。1970年代から使用されていた泡消火剤の対処が2013年であることを考えると、既に対策が遅れたことは否めません。このような経緯を踏まえ、今後の対応措置は予防原則的なアプローチを採用し、対処することを求めます。

 上記のような状況を受け、IPPは沖縄県民の水の安全を守るため、以下を沖縄県に要請・提言します。

  1. 汚染の対処の経験があり、先進的な対策をとる米国の自治体の政策を参照とし、安全な水の供給のための対策を検討すること(企業局、環境部、保健医療部)

 北谷浄水場の浄水は2018年のPFOS/PFOAの合計最高値は63ng/L, 2018年度の平均は41ng/Lです[18]。ATSDRレポートを踏まえ、安全な水の供給のための対策、市民への対応を早急に検討することを要請します。上述のように、米国で汚染問題が発生している地域の現実的な対処を参照とすることを強く提唱します。米国バーモント州健康部では飲料水でPFOA、PFOS、PFHxS、PFHpA、PFNAの5種のPFAS(ペルフルオロアルキル化合物)の合計が20pptを超えないことに加え、曝露を最小限にするため、料理や歯磨き、粉ミルク等にも用いないように提唱しています[19]
 また、北谷浄水場の水源で高濃度のPFOS/PFOA汚染が検出され続けていることについては、基地内の土壌汚染、地下水汚染を特定する調査の実施や、汚染の抜本的な対策が実現するように、米軍、日本政府に対しての強い要請を文書化し、交渉の過程をオープンな形で行うことを求めます。

  1. PFOS/PFOAの検出地における対応を、市町村や自治会と再考すること(環境部、保健医療部、企画部)

 検出地での飲用禁止の周知(看板、市報など)、特に1000pptという高濃度でPFOS/PFOAが検出されているチュンナーガーの簡易水道について、早急に対応を検討することを要請します。上述のバーモント州健康局では、市民への案内で、5種のPFASが20pptを超える水は、庭の散水にも使用しないように呼びかけており、PFASが野菜に吸収される可能性についても述べています[20]。一方、同州の農業・食品・市場局は科学的な文献、研究者や健康部との協議の結果をもとにした「ガーデニング、商品作物とPFOAに関するFAQ」を掲載し、部局を超えて連携し、市民や農業関係者の問いにも専門家が毒物学者が答えられる体制を整えています[21]
 検出地の管轄が自治会でも、汚染が確認されている地域の水の管理や市民への周知の対策については、市や県などが専門家の知見をもとに、責任を持つ体制を検討することを提言します。
 普天間基地周囲の汚染については、基地内での土壌汚染、地下水汚染が発生している可能性が高いので、抜本的な対策として、また、返還跡地の問題としても対処することが必要であることを県の企画部や宜野湾市とともに認識し、日本政府任せにせず、アクション・プランをたて、行動に移すことを求めます。特に跡地では「地下に流れる水の道」をコンセプトにした公園計画があります[22]。跡地計画と汚染対処を一体に考える体制を整える事が必要です。
 また、汚染の抜本的な対策について、米軍、日本政府に対しての強い要請を文書化し、交渉の過程をオープンな形で行うことを求めます。

  1. 保健医療部は有機フッ素化合物の健康への影響について検証し、健康調査等、公衆衛生的な対策の検討を開始すること。

 米軍の泡消火剤は1970年代から使用されており、県民の長期的な曝露の影響等が懸念されます。また、上述のとおり北谷浄水場の浄水がEPAの生涯勧告値、82ppt, 120pptを計測したこともありました。ATSDRレポートでレビューされている調査報告や、米国で実施されている健康調査のレポート[23]などを参考にし、公衆衛生的アプローチを検討することを要請します。

  1. 県庁内で有機フッ素化合物に対する横の連携を築き、知見を蓄積すること。

 現在、沖縄県が対処している有機フッ素化合物はPFOSとPFOAに限定されていますが、実際は4000種類以上の化合物が存在し[24]、米軍が使用している泡消火剤が異なる有機フッ素化合物を用いた代替物である可能性も示唆されています[25]
 沖縄県は、従来の縦割り行政で対処せず、企業局、環境部、環境衛生研究所等で連携して全体で知見を高め、情報交換を恒常的に行い、対米国への対処についても知事公室も含めてこの問題に取り組むことを要請します。

  1. PFOS/PFOA汚染問題に特化した発信を行い、日本政府の積極的な対処を求めること。

 このような米軍基地特有の汚染問題が沖縄で発生している一方で、有機フッ素化合物の、国内規制がないために対処が困難になっています。防衛省、外務省のみならず、環境省、厚生労働省等に問題を整理して伝え、しかるべく対処を求めることを要求します。
 また、渉外知事会等でも日米地位協定の国際比較のような枠組みの問題ではなく、このような安全や健康に係る、緊急の具体的な問題で、基地による環境汚染の深刻さ、問題解決の困難さ、日米地位協定による被害を訴えることを提案します。

 以上の対応に関して、県民にその過程を適時オープンに伝えることを求めます。

以上。


[1]Agency for Toxic Substances and Disease Registry ”Toxicological Profile for Perfluoroalkyls Draft for Public Comment”. https://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp.asp?id=1117&tid=237.

[2]ATSDRレポート, p.25による。詳細はATSDRのサイトを参照のこと。 https://www.atsdr.cdc.gov/pfas/ (2018年7月5日アクセス)。

[3]沖縄県企業局HP「企業局における有機フッ素化合物の検出状況について」 https://www.eb.pref.okinawa.jp/opeb/309/619  (2018年7月5日アクセス)。

[4]沖縄県環境保全部HPで公表されている。最新版は「平成29年度有機フッ素化合物環境中実態調査の冬季結果報告について」 http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/hozen/mizu_tsuchi/water/pfos-pfoa_h29-winter-result.html (2018年7月5日アクセス)。
日本政府とのやりとりの文書は環境政策課のHPで公表されている。「宜野湾市湧水において検出された有機フッ素化合物の対策等についての沖縄防衛局からの回答」 http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/seisaku/kichikankyo/ginowan.html (2018年7月5日アクセス)。

[5]沖縄県環境衛生研究所HPで公表されている。塩川敦司・玉城不二美「沖縄島の河川及び海域における有機フッ素化合物の環境汚染調査」『沖縄県衛生環境研究所所報』第51号(2017)http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/hoken/eiken/syoho/documents/51-p33-48.pdf (2018年7月5日アクセス)。

[6]EPAのPFOS/PFOAを含むペルフルオロアルキル化合物(PFAS)についての政策については”Per- and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS)”を参照。 https://www.epa.gov/pfas(2018年7月5日アクセス)。環境省は以下のファクトシートを参照。「国内等の動向について(PFOS)」 https://www.env.go.jp/council/09water/y095-13/mat07_2.pdf, 「[18]ペルフルオロオクタン酸及びその塩」(PFOA)。 https://www.env.go.jp/chemi/report/h19-03/pdf/chpt1/1-2-2-18.pdf (2018年7月5日アクセス)。

[7]例えば、バーモント州はPFOA、PFOSを含む5種類のペルフルオロアルキル化合物(PFAS)の合計値が20pptを超えないことを推奨している。Vermont Department of Health, “Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS) in Drinking Water.” http://www.healthvermont.gov/environment/drinking-water/perfluoroalkyl-and-polyfluoroalkyl-substances-pfas-drinking-water(2018年7月5日アクセス)。ニュージャージー州は最大許容濃度(Maximum Contaminant Level, MCL)としてPFOAを14ppt、PFNAを13ppt に設定する案を策定。State of New Jersey, Department of Environmental Protection , News Release,”Christie Administration Takes Action to Enhance Protection of New Jersey’s Drinking Water”, November 1, 2017, https://www.nj.gov/dep/newsrel/2017/17_0104.htm (2018年7月5日アクセス)。ニューハンプシャーはPFOS、PFOAの地下水の基準を設定している。New Hampshire Department of Environmental Services Release, “NHDES Establishes Ambient Groundwater Quality Standard for Perfluorooctanoic Acid (PFOA) and Perfluorooctane Sulfonate(PFOS)”, May 31, 2016, https://www.des.nh.gov/media/pr/2016/20160531-pfoa-standard.htm(2018年7月5日アクセス)。ATSDRレポート、p.646も参照。
米国のNGO、National Resources Defense Council (NRDC)は、複数の汚染地域を抱えるニューヨーク州の健康部委員会への要望書(”Re: Setting a Maximum Contaminant Level for Perfluorooctanoic Acid (PFOA) and Perfluorooctanesulfonic Acid (PFOS)”)を提出し、PFOSとPFOAの合計値を4-10pptに設定することを推奨している。NRDC Releases Report on PFOA, Urging Prompt Regulation, February 27, 2018, https://www.nrdc.org/experts/kimberly-ong/nrdc-releases-report-pfoa-urging-prompt-regulation(2018年7月5日アクセス)。

[8]Xindi C. Hu et al., *Detection of Poly- and Perfluoroalkyl Substances (PFASs) in U.S. Drinking Water Linked to Industrial Sites, Military Fire Training Areas, and Wastewater Treatment Plants”  Environ. Sci. Technol. Lett., 3, 10, 344-350, (2016), https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.estlett.6b00260 (2018年7月5日アクセス) 。有機フッ素化合物の問題に取り組む環境団体Environment Working Groupによる米国の飲料水汚染の状態を示したインタラクティブマップ等の記事も参照されたい。”Mapping a Contamination Crisis: PFCs Pollute Tap Water for 15 Million People, Dozens of Industrial Sites”, June 8, 2017, https://www.ewg.org/research/mapping-contamination-crisis#.WzGcMqf7SUk (2018年7月5日アクセス) 。

[9]米軍基地由来のPFOS/PFOA汚染に関しては別途情報をまとめる予定である。ここでは参考としてTara Copp, ”DoD: At least 126 bases report water contaminants linked to cancer, birth defects”, Military Times,April 26, 2018, https://www.militarytimes.com/news/your-military/2018/04/26/dod-126-bases-report-water-contaminants-harmful-to-infant-development-tied-to-cancers/ (2018年7月5日アクセス)。

[10]例えばPFOA汚染被害を起こしたデュポンへの70000人の集団訴訟に勝訴したRob Billot 弁護士の記事を参照。Nathaniel Rich, ”The Lawyer Who Became DuPont’s Worst Nightmare”, The New York Times, January 6, 2016, https://www.nytimes.com/2016/01/10/magazine/the-lawyer-who-became-duponts-worst-nightmare.html (2018年7月5日アクセス)。

[11]ATSDR ”PFAs Toxicological Profile Key messages June, 2018”  https://www.atsdr.cdc.gov/docs/PFAS_Public_KeyMessages_June20_Final-508.pdf (2018年7月6日アクセス)。

[12]この事実はPoliticoの調査報道により明らかになった。Annie Snider, “White House, EPA headed off chemical pollution study”, Politico, May 14, 2018,  (https://www.politico.com/story/2018/05/14/emails-white-house-interfered-with-science-study-536950). (2018年7月5日アクセス)。

[13]PFOS・PFOAの他に、PFHxS、PFNAのMRLsが挙げられている。

[14]Ellen Knickmeyer, “Report finds industrial chemicals more toxic than thought”, AP News, Jun. 20, 2018, https://apnews.com/54e8af9f5bb04c3084eff98f674cf6f5(2018年7月5日アクセス) , Stephanie Ebbs and DR. Karine Tawagi, “Threshold for harmful chemicals in drinking water lower than thought: Study”, ABC News,June 21, 2018 ,https://abcnews.go.com/Politics/threshold-harmful-chemicals-drinking-water-lower-thought-study/story?id=56029597(2018年7月5日アクセス)。

[15]ATSDR”PFAs Toxicological Profile Key messages June, 2018”,  https://www.atsdr.cdc.gov/docs/PFAS_Public_KeyMessages_June20_Final-508.pdf (2018年7月6日アクセス)

[16]Silent Spring Instituteの研究者Laurel Schaiderにより算出。Dr.Schaiderは注8のXindi C.Hu論文の共著者である。Cheryl Hogue,“U.S. report proposes lower safe level for perfluorochemical exposure:ATSDR daily dose numbers for PFOS and PFOA are one-tenth those of EPA”,Chemical & Engineering News, June 22, 2018 | Vol.96, Issue 26 , https://cen.acs.org/environment/persistent-pollutants/US-report-proposes-lower-safe/96/i26 , (2018年7月6日アクセス); Garret Ellison, “Blocked report drops PFAS safety level into single digits”, Mlive, June 21, https://www.mlive.com/news/index.ssf/2018/06/atsdr_pfas_toxprofiles_study.html  (2018年7月5日アクセス); Evan Bevins, “Brooks: PFAS advisory levels must drop: Doctor from C8 study pleased with release of federal report”, News and Sentinel, June 22, 2018.  http://www.newsandsentinel.com/news/local-news/2018/06/brooks-pfas-advisory-levels-must-drop/ (2018年7月5日アクセス)。

[17]PFAS問題に取り組む地域のグループのネットワークNational PFAS Contamination Coalitionのウェブサイト参照。https://pfasproject.net//(2018年7月5日アクセス)。

[18]2018年7月6日更新のデータ。 https://www.eb.pref.okinawa.jp/userfiles/files/autoupload/180608PFOS.pdf (2018年7月6日アクセス)。

[19]バーモント州健康局の”What is the Health Department’s advice for PFAS in drinking water?”http://www.healthvermont.gov/environment/drinking-water/perfluoroalkyl-and-polyfluoroalkyl-substances-pfas-drinking-water (2018年7月5日アクセス)。

[20]同上。

[21]バーモント州農業・食品・市場局”Frequently Asked Questions About Gardening, Commercial Produce and PFOA”,  April 22, 2016,  http://agriculture.vermont.gov/sites/ag/files/PDF/PFOA_AgProductsFAQ.pdf (2018年7月5日アクセス)。

[22]沖縄県公式チャンネル「普天間未来予想図VR編vol.3」(平成29年3月制作) https://www.youtube.com/watch?v=yiilzLbAO3A&t=195s(2018年7月5日アクセス)。

[23]血液調査や健康調査については、元ピーズ空軍基地の泡消火剤で飲料水が汚染されたニューハンプシャーの調査が参考になる。Agency for Toxic Substances and Disease Registry, “Feasibility Assessment for Epidemiological Studies at Pease International Tradeport, Portsmouth, New Hampshire”, November 2017. https://www.atsdr.cdc.gov/sites/pease/documents/Pease_Feasibility_Assessment_November-2017_508.pdf (2018年7月3日アクセス); State of New Hampshire, Department of Health and Human Services Division of Public Health Services, “Pease PFC Blood Testing Program: April 2015-October 2015”, June 16, 2016, https://www.dhhs.nh.gov/dphs/documents/pease-pfc-blood-testing.pdf ( 2018年7月3日アクセス)

[24]経済協力開発機構(Organization for Economic Co-operation and Development, OECD)の有機フッ素化合物のポータルによると4730種類の有機フッ素化合物が確認されている。
OECD, ENV/JM/MONO(2018)7, ”Environment Directorate Joint Meeting of the Chemicals Committee and the Working Party on Chemicals, Pesticides and Biotechnology: Toward a  New Comprehensive Global Database of Per- and  Polyfluoroalkyl Substances (PFASs):
Summary Report on Updating the OECD 2007 List of Per- and Polyfluroalkyl Substances(PFAS) ,  Series on Risk Management No.39”, (May, 4, 2018) http://www.oecd.org/officialdocuments/publicdisplaydocumentpdf/?cote=ENV-JM-MONO(2018)7&doclanguage=en( 2018年7月3日アクセス)
Sharon Learner, “PFOA AND PFOS are only the Best-Known Members of a very Dangerous Class of Chemicals”, The Intercept, February 10, https://theintercept.com/2018/02/10/pfos-pfoa-epa-chemical-contamination/ (2018年7月5日アクセス)。

[25]The Intercept のSharon Learner記者による一連の調査報道を参照されたい。特にSharon Learner,“The U.S. Military is Spending Millions to Replace Toxic Firefighting Foam with Toxic Firefighting Foam”, The Intercept, Feburuary 10, 2018 https://theintercept.com/2018/02/10/firefighting-foam-afff-pfos-pfoa-epa/ (2018年7月5日アクセス)。


写し送付先:

北中城村長 新垣邦夫
中城村長 浜田 京介
宜野湾市長 佐喜眞 淳
浦添市長 松本 哲治
沖縄市長 桑江 朝千夫
北谷町長 野国 昌春
那覇市長 城間 幹子

沖縄県議会議長 新里 米吉
沖縄県議会 総務企画委員会委員長 渡久地修
沖縄県議会 土木環境委員会委員長 新垣清涼
沖縄県議会 文教厚生委員会委員長 狩俣信子
沖縄県議会 米軍基地関係特別委員会委員長 仲宗根悟

宜野湾市喜友名自治会長 知念 参雄
宜野湾市自治会長 花城 君子

宜野湾市軍用地等地主会 又吉 信一
一般社団法人沖縄県軍用地等地主会連合会 眞喜志 康明

沖縄防衛局長 中嶋 浩一郎
外務省特命全権大使(沖縄担当)川村 裕

環境大臣 中川雅治
厚生労働大臣 加藤 勝信


※送付した文書に間違いがありましたので訂正したものをこちらにアップしています。 ADSTDRレポートに関する提言要請文 PDF –
 
この件に関する問い合わせ先:
The Informed-Public Project 代表 河村 雅美
director@ipp.okinawa
ウェブサイト:http://ipp.okinawa/ 

 

Article 001 日本政府は米軍に沖縄の要求を正しく伝えているか

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001 Report 記事:PFOS文書問題 「日本政府は米軍に沖縄の要求を正しく伝えているか」について、沖縄タイムス、琉球新報の県内二紙が一面に掲載、両紙の社説でも取り上げられた。