11/7 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の学習会で講演しました

沖縄のPFAS問題の現状と取組み紹介

  11月7日にダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議(以下「国民会議」)の有機フッ素化合物汚染の学習会で講演しました。
 今回は、多摩地域での水道水中の有機フッ素汚染の結果を受け、同地域での取り組みの参考にしたいということで、沖縄のPFASへの取り組みについての話を依頼されましたので、そこに焦点を絞っての話をしました。
 当日の話の構成は以下のとおりです。沖縄のPFAS問題の現状を、2016年の問題発覚時から、沖縄の水問題の背景、重要なモメント等を軸に話していきました。また、取り組みについても重要な役割を果たしてきた市民の皆さまに聞き取りをしながらまとめたものを紹介していきました。資料とyoutubeを下に公開していますので御覧ください(当日のトラブルがあった部分は、スライドをはめ込み直し修正しています)。

○沖縄の水汚染の背景 
 

  
  米軍基地、問題を阻む法・制度
  
  水にまつわる歴史、状況

○嘉手納基地のPFAS汚染:飲料水への影響


   2019.5.15ショック 京大調査の結果

  市民の取り組みの広がり

○普天間基地のPFAS汚染:農業用水等への影響

  2020.4.10 ショック 普天間基地からの泡消火剤大量放出

○沖縄の取り組みの特徴 (基地問題からの連続性、国際社会との連携、
 
            「基地問題」による思考停止問題)


○今後の課題 

 沖縄の基地汚染問題からの振り返りにもなり、課題をとらえ返すよい機会となりました。フロアからの質疑応答などでも、沖縄の経験の積み重ねが参考になったところがあったような感触も受けました。得難い機会を与えていただいた国民会議の皆様に心より感謝いたします。

今後に向けて:歴史からの教訓を受けての取り組みを

 今回、PFASの科学面からの説明に関しては、前半の専門家である中地先生にお話をお任せしました(講演や資料は国民会議のサイトでみることができます)。
 私は社会学者の立場からも、最後にPFASについて、「『公害』や汚染に関する歴史からの教訓を大切に」ということを今後に向けての課題として話しました。
 PFOSPFOAへの対処が遅れ、それが人への曝露と、それにより生じるリスクが広がってしまった、という過去の負の歴史を世界の科学者は認識しています。その経験からの教訓として、新たに市場に進出している何千種類ものPFASでそのようなことを繰り返すべきではない、データが限られていることを、代替物として使われているPFASのリスク回避を遅らせる理由づけにするべきではない、ということも米国の科学者が訴えています(Overview of  PFAS exposure pathways for different human populations outside of occupational settings, Elsie, M. Sunderland et al, 2018.等)。
 沖縄はPFOS、PFOA以外のデータも蓄積されてきました。PFASという蓄積性の高い有害物質の性質や、沖縄の経験の積み重ねを認識し、地域での取り組み、国内、国外への働きかけをしていく必要があります。
 そして、基地問題の中に拘泥することなく、現在、疫学調査など、私たちの体内で起きていることの把握を早急にする必要があることを国民会議の方たちの調査結果で再認識することができたと思います。

講演動画:

スライドはこちら。
転載の場合はIPPのクレジットを付記してくださるようお願いします。

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